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オーガニックの本質を知ろう!

2020/03/19 スパイス豆知識

オーガニックとは「有機の」「有機的な」という意味で、オーガニック食品は「有機食品」、オーガニック栽培は「有機栽培」と訳されます。
「有機」の意味としては、生物が作り出す炭素化合物のことで、簡単に言えば、焦げたり腐ったりする物、となります。

オーガニック食品の定義としては「農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で生産された農産物、加工食品、飼料及び畜産物」とされており、日本農林規格(JAS)による「有機JAS規格」の品質基準をクリアしたことを示す「有機JASマーク」がない指定農林物資に、「有機」「オーガニック」等の名称の表示や、紛らわしい表示を付することはできません。

本来のオーガニックの目的とは

このように定義づけられているオーガニックですが、国際NGOであるIFORM(国際有機農業運動連盟)は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。
また、日本有機農業研究会が「有機農業のめざすもの」として掲げているのは、「安全で質の良い食べ物の生産」「環境を守る」「自然との共生」「地域自給と循環」「地力の維持培養」「生物の多様性を守る」「健全な飼養環境の保障」「人権と公正な労働の保障」「生産者と消費者の提携」「農の価値を広め、生命尊重の社会を築く」の10項目となっています。

具体的には、環境保全の観点から化学農薬や化学肥料を使わない、健康な生活と食の安全を確保するために保存料・着色料といった添加物をできるだけ使用しない、自然の動植物を守る、地産地消等地域の文化を大切にする、児童労働や植民地栽培を排除し健全な社会を実現する、といったことがオーガニックの取り組み目標となっているそうです。

人間は自然界の食物連鎖の中で生きており、微生物や動植物といったあらゆる生命との共生、そして自然環境を守ることで健全な社会環境が実現できる、そのためには化学物質の使用や遺伝子組み換えといった技術を避ける必要がある、という考え方がオーガニックの取り組みの根本にあります。つまり、オーガニックとは自然と人間の調和を目指すものであり、物質の循環を第一に考えることが基本になっているのです。

「オーガニック」と「無農薬」「ナチュラル」との違い

オーガニックはしばしば「無農薬」や「ナチュラル」といったものと混同されがちですが、この3つには明確な違いがあります。

「オーガニック」という場合には、必ず人為的なコントロールが関わっています。自然との調和を目指すものでありますが、そのために生産や栽培の過程で人の手が加わっているのです。また、オーガニックにおいては天然に存在する物質であれば農薬の使用が認められる場合もあります。これは有機物だけではなく無機物も含まれています。つまり、「オーガニック=無農薬」ではないのです。

「無農薬」という場合には、言葉の通り農薬をまったく使用しない生産方法を指しますが、実は現在「無農薬」と表示することは禁止されています。これは、たとえ栽培の過程で農薬を使用しなかったとしても、土壌に農薬が残っている、あるいは他の畑から農薬が飛散してくるということもあり得るわけで、実際に農薬ゼロと言い切るのは不可能に近いと考えられているからです。また、オーガニックと無農薬の大きな違いとしては、認定機関の存在の有無があります。残念ながら無農薬においては明確な基準も認定機関もないのが現状です。そのため、消費者に誤解を与えないために「無農薬」の表示は禁止されているのです。

そして、「ナチュラル」ですが、こちらは天然物・自然物そのものを指します。また、「ナチュラル農法」「自然農法」という場合には、耕さない、除草しない、肥料を与えない、農薬を使わない栽培方法を指し、自然本来の力を最大限に生かせば立派な作物が育つという考えのもとで行われる農法です。
ただ、こちらも明確な定義はなく、個人差もあると言われています。

日本はオーガニック後進国という現状

近年オーガニックに対する注目度は高くなっているように思われていますが、日本におけるオーガニックへの取り組みは残念ながらまだまだ世界と比べて遅れているのが現状です。日本の有機農業の普及レベルは欧米諸国はもちろん中国にも遅れを取っており、有機農業を占める面積は世界最低レベルと言われています。これは、農地における牧草地の割合が高いヨーロッパの環境がオーガニックへの取り組みに有利に働いているとも言えますが、一番大きな要因としては日本と欧米諸国等の消費者におけるスタンスの違いが考えられます。

例えば、ヨーロッパ諸国の消費者は農薬の使用に対する厳しい目を持っており、アメリカや中国では慣行農業と呼ばれる従来の農業に対する不信感が強いため、多少値段が高くても安心できるオーガニックによる作物を選択する傾向があると言われています。一方、日本の消費者は慣行農業に対して一定の信頼感を持っているため、有機農産物の消費量がなかなか増えないのだそうです。
さらに日本の消費者の好みとして見た目の良さ(形、色、虫食いの有無等)を優先する傾向にあり、市場流通における規格が過剰なほど厳密であることから、結果的に農薬を使用した作物の流通が増加し、有機農産物の市場価値が下がってしまうという現象を招いてしまっているようです。

また、ヨーロッパでは学校給食での提供など自治体ネットワークによる取り組みがオーガニックの普及の後押しになっているようです。最近では高級スーパーやオーガニック専門店だけではなく、一般のスーパーや量販店でもオーガニック食品が豊富に取り扱われるようになり、品目によっては価格差が縮まってきているそうです。

そもそもオーガニックの目的は有機作物をただ作ることではなく、自然環境を守ることで人間と自然の調和を目指すことにあります。ただ、雑草対策等手間のかかる作業が伴う有機農業の普及には、農家への様々な支援が必要となります。そのために大事なことは、私たち消費者一人一人がオーガニックに対する理解を深め、意識を改めることなのではないでしょうか。