VOX ORGANIC SPICE

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SEASON 2 - LESSON1 台湾で人気の朝食シェントウジャン(鹹豆漿)に合うスパイス

公開日:2026/04/01

There is only morning in all things.

イギリスの詩人ロバート・ブラウニング(Robert Browning)の詩の一節で「全ては常に新しく始まる」という意味。日本では「朝こそ全て」と訳されることが多い……

朝の風景

料理は、いつでも誰でも、気持ちを込めて作れば、人を幸せにする力があります。
それは、決して自分以外の「誰かのため」だけではなく、「自分自身」にとっても同じこと……

日々の食事は、忙しい毎日の中で、ともすれば、単なる栄養補給になりがちですが、「心遣いや愛情」といった、ほんの少しの「思い」を込められたなら、食べる人に喜びや温もりをもたらす特別な力を持っているのです。

中でも、1日の始まりである「朝食」は、眠りから覚醒へとスイッチを入れる大事な儀式のようなもの。
食べ物が持つ息吹(命)を自分の中に取り込み、自分の体を ”今日” という日のために新しく作り直すファーストアクションです。

朝食を大切にすることで、その日の ”始まり” を単なる昨日からの延長ではなく、新しい “わたし” が始まる “はじめの一歩 “ にしてみませんか?

手軽でヘルシーな朝食は台湾の街角に!

台湾の街角

台湾の街角には、看板に豆漿(トウジャン)と書かれた朝食専門店が数多くあります。

温かい豆乳に酢を加えておぼろ豆腐のようにゆるく固めたスープ「シェントウジャン(鹹豆漿)」は、台湾では定番の朝食です。

油条(ヨウティアオ)という揚げパンや焼餅(シャオビン)、酥餅(スーピン)などと一緒に食べますが、自宅でシェントウジャン(鹹豆漿)を作るのなら、カリッと焼いたトーストや、たっぷりとバターやチーズをつけたルブロ(北欧の酸味のあるライ麦パン)などもオススメです。

なんと言ってもシェントウジャン(鹹豆漿)は、器にお酢を入れ、沸かした豆乳を注ぐだけで完成できる超時短メニュー!!

そこに、その日の気分であれこれ組み合わせたスパイスを加えてみてください。
正解のない一皿だからこそ、自由な感性で楽しむ…
そんな遊び心が、今日という1日をいっそう輝かせてくれるはずです。

基本のシェントウジャン(鹹豆漿)の作り方

基本の材料

  • 成分無調整の豆乳:200cc
  • お酢:小さじ1杯強
  • 塩:ふたつまみ以上(または 白だし:小さじ1杯)
トッピング

  • 砕いたピーナッツ:小さじ1/2程度
  • 干しエビ(桜エビ・オキアミ):小さじ1/2程度
  • ラー油:ひと回し
  • パクチーまたは青ネギ

シェントウジャンの作り方

  1. 器にお酢と塩(または白だし)を入れておく
    *スパイスはこの時に一緒に器に入れておくと風味が広がります!
  2. トッピングを小皿に用意しておく
  3. 豆乳を沸騰直前まで温める
    *沸騰させてしまうと固まりにくくなるので注意。豆乳の表面にうっすらと膜ができて揺れてきたらOK
  4. 温めた豆乳を、①の器に勢いよく流し込む
    *すぐにかき混ぜると固まらないので、②と一緒にそのまま食卓へ
  5. 固まってから②をトッピングする

シェントウジャン(鹹豆漿)にぴったりのスパイスたち!

その日の気分や自由な感性でスパイスを加える遊び心は、朝を最大限にワクワクさせてくれるはずですが、せっかくの朝食を間違いなく美味しくするために、いくつか「スパイス調合のヒント」をお伝えしておきます。

「早起きしてゆったりと準備をっ…」なんて思っていても、あっという間に時間がなくなるのが朝ですから、いくつかお好みのブレンドを作っておいて、「今日はこれにしよっ!!」と選ぶのがスマートかなぁっ……と思います。

おすすめのスパイス

シェントウジャン(鹹豆漿)に合うパウダースパイスたち

  • ゴマ
  • ブラックペパー
  • 山椒
  • 唐辛子
  • クミン
  • コリアンダー
  • マーガオ(台湾のレモングラスのような香りのスパイス)
  • ソルティーグリーンペパー
  • シナモン
  • フェンネル
  • いずれも分量はMAXで小さじ1/5杯程度(総量)にしましょう。
  • 入れすぎると粉っぽくなるので控えめに。

「シェントウジャン(鹹豆漿)用スパイス」の調合秘訣

シェントウジャンは台湾料理なので、中華料理に使われるミックススパイス「五香粉(ウーシャンフェン)」などを入れたら美味しいかも?!と思うかもしれませんが、山椒の他にシナモンやクローブ八角、フェンネルなどが調合されている五香粉は、魯肉飯(ルーローハン)や豚の角煮などの肉の臭みを消すために使う香味の強いブレンドです。

残念ながら優しい風味のシェントウジャン(鹹豆漿)には少し不向きなんですよね……
特にクローブ八角は少量でも味を大きく変えてしまうので、使いこなすのがとても難しいスパイスなのです。

シナモンとフェンネルであれば、他のスパイスのお供として加えるくらいであれば、使用してもOKです(分量は他のスパイスの半量ほどにしましょう!)。

スパイスは単品で使用するよりも、3種類以上を混ぜ合わせた方が柔らかい風味に仕上がりバランスが調います。

何を選ぶか迷った時は、香りを確認してみて、自分が美味しそうだなぁと感じるスパイスを1〜2種類選び、そこにコリアンダーやブラックペパーを加えてみると、落ち着いたブレンドになると思います。

スパイスブレンド

以下にオリジナルブレンドの参考レシピを記載しておきますので、試してみてください。
※【 】内の数字が配合率です。

オススメブレンド❶

クミン【1】:ブラックペパー【1】:フェンネル【0.5】:シナモン【0.5】

ガラムマサラを思わせるエキゾチックな香味が眠っていた五感を鮮やかに呼び覚ます。朝食が待ちきれなくなる目覚めのブレンド。

オススメブレンド❷

ゴマ【1】:ソルティーグリーンペパー【1】:コリアンダー【1】

ゴマの香りが優しい朝にピッタリのブレンド。ソルティーグリーンペパーの辛味がシャッキリとした朝を運んできてくれます。

オススメブレンド❸

山椒【1】:マーガオ【1】:ブラックペパー【1】

山椒とマーガオが台湾らしさを演出してくれるブレンド。

スパイスで新たに始まる朝をさらにパワフルに!

ここで少しだけ立ち止まってお伝えしたいのが、トッピングの役割です。

スパイスは香味が豊かなので、「スパイスさえ入れれば、トッピングなしでも美味しいのではないかしら?」と思いがちですが、シェントウジャン(鹹豆漿)の美味しさは、独特のクセがある豆乳に、旨味の強い小エビやピーナッツを掛け合わせたトリプルな風味にあるんです。

香りが豊かなパクチーや青ネギをトッピングすると、爽やかさにスポットライトがあたって美味しさが増し増しになるのは、そのためです。

スパイスもまた、然り. 基本のシェントウジャン(鹹豆漿)がほんのりとクセ(臭み)があるからこそ、生きるのです。

せわしない朝でも、少しの頑張りで、温かく、優しい、ほっ…とする朝食ができあがります。

お好みで入れたいトッピングと調味料
  • ミョウガ
  • ザーサイ
  • とろろ昆布
  • 刻み海苔
  • 仙台麩(お麩)
  • 揚げ玉
  • ごま油(辣油の代わりに)
  • ナンプラー(白だしの代わりに)

スパイスを調合する数十秒。
その香りを深く吸い込む時間が、自分自身を調える最短の瞑想になるかもしれませんね……


IKU UMEZAWA

ブレンドスパイス研究所|スパイス調合家

植物の種や葉、果実、蕾……

乾燥させたスパイスを調合していると、知らない国や、そこに暮らす人々の日常が、香りにのって私のもとに運ばれてきます。

異国と私を繋ぐ「特別なアイテム」であり、自身をメンテナンスする「癒しのアイテム」でもあるスパイス。

その魅力を通して皆さんと繋がり、新しい何かにワクワクするきっかけをお届けしたい...そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめ、様々な活動をしています。

あなたの暮らしにスパイスを
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