
極端な三極化が進んでいると言われている現代の食事事情……
忙しい日々に追われ、ただ効率よく栄養やカロリーを補給するための食事……
あるいは、その瞬間だけの高揚感や「映え」を追いかける、快楽中心の食事……
その一方で、健康を意識するあまり、
「無農薬でなければ…」とか、「⚪︎⚪︎を食べなきゃ…」
と、食べる喜びや味わう感覚が置き去りになりがちな、どこか義務的な食事……
情報や選択肢があふれかえる現代において、自分や大切な人のために作る毎日の「お家ごはん」に、皆さんはどんな思いで向き合っているでしょうか?
身体に良いこと、健康的であることは、もちろん大切です。
けれど、「今、身体や心が本当に欲しているものは何だろう?」と身体の声に耳を傾けてみたり、みずみずしい旬の野菜を愛おしんだりするだけで、食事は単なる栄養補給から、心で「味わう・楽しむ」ものへと進化してくれます。
目にした瞬間に心が弾むような色彩、やさしい香り…そして歯応え……
ひと口ごとにお腹と心が満たされていく実感は、自分や誰かのための「ほんのひと手間」や、五感が喜ぶ「ちょっとした工夫」を加えるだけで、何倍にも膨らんでくれるから不思議です。
今回は、手間いらずの時短食材としても親しまれている「クスクス」を、色味のスパイスや食材で彩ることで「目にも美味しい一皿」に仕上げ、お腹も心も満たしたいなと思います。

フレッシュパセリが主役の鮮やかな『タブレ』は、中東やレバノンで愛されている伝統的なハーブサラダです。
大量に刻んだパセリにトマトや玉ねぎ、ミントを加え、ブルグル(挽き割り小麦)と和えてオリーブオイル、レモン果汁、塩でさっぱりと仕上げます。
暑い中東の国ならではのこのヘルシーなサラダは、ハーブとレモンの爽やかな香味が魅力です。
この『タブレ』が、フランスに渡り、ブルグルよりも扱いやすいクスクスを使って、より主食に近いサラダへと進化しました。
今ではフランスのデリ(お惣菜屋さん)などで定番食となり、国民食と言ってもいいほど多くの人々に愛されています。
レバノンの『タブレ』はパセリなどの緑の野菜が主役ですが、フランスの『タブレ』はクスクスがメインなので「穀物サラダ」と呼んでも良いかもしれません。
ドレッシングや野菜の旨味を吸ったクスクスはジューシーで食べ応えもしっかり!お腹も気持ちも満たされる一品です。

今回は、パセリを混ぜた緑色のクスクスを基本の『タブレ』としました。
*キュウリ、スプラウト、ビーツ、ナッツ、フレッシュミント等をお好みで加えてもOK!

基本の『タブレ』に慣れたら、スパイスや素材の天然の色彩でクスクスをカラフルに染めてみましょう。テーブルが一気に華やかになります!
【材料】
※ターメリックは苦味が出やすいため入れ過ぎに注意!クスクスを2〜3倍に増やしても小さじ1/5のままで十分です。
【作り方】
【材料】
【作り方】

今回は手に入りやすい「クスクス」を使っていますが、ブルグルやキヌアでも同じように、カラフルな『タブレ』を楽しむことができます。
*クスクスとブルグルは小麦粉加工品(小さなパスタ)のためお湯で戻りますが、キヌアは「植物の種そのもの」なので、お湯で戻すだけでは火が通りません。必ず茹でてからお使いください。
食事は味わいだけでなく、「目から食べる」のも美味しさの大切な要素です。
着色料を使わなくても、スパイスやビーツなどの自然の色彩を取り入れるだけで、こんなにも華やかで安心な、可愛い色合いの『タブレ』が出来上がります。
ぜひ毎日の食卓でチャレンジしてみてください。
ブレンドスパイス研究所|スパイス調合家
植物の種や葉、果実、蕾……
乾燥させたスパイスを調合していると、知らない国や、そこに暮らす人々の日常が、香りにのって私のもとに運ばれてきます。
異国と私を繋ぐ「特別なアイテム」であり、自身をメンテナンスする「癒しのアイテム」でもあるスパイス。
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