夏。バカンスの時期だったと思う。ディナータイムで厨房の温度が料理人たちの熱気によって急上昇している感覚があった。急げ、しかし丁寧にそして最高の状態で仕上げを。そんなことを考えながら料理に向かっていると突然「シェフが呼んでいる。全員バックヤードに集まれ。」と大声が響きわたった。
何が起きたのか訳もわからずシェフのもとに駆け付けると見習いの料理人が大きなフライパンを2つ火にかけてなにやら仕込みをしていた様だった。傍らにはカットされた玉ねぎ、ズッキーニ、パプリカにナス。どうやらラタトゥイユの仕込みのようだな、と思っていると集まった料理人たちにシェフが「誰がこんな作り方を指示したんだ！ラタトゥイユは一つの鍋で野菜を順番に炒めて作る料理なんだ。そこに意味があるんだ。」
シェフの前に立ちすくんでいる見習いの料理人は大量の野菜をなるべく早く炒めようとフライパンを2つ用意してそれぞれの野菜を炒めて最終的に一つの鍋にうつして仕上げようとしたしていたところシェフに見つかったのだろう。そして我々が呼び寄せられたということだった。
もちろん大事なことを教えていただいたという気持ちはあった。しかし今じゃなきゃダメなのかという気持ちも残しつつ仕上げを待っている料理のもとにそれぞれが慌てて戻っていった。

皆さんこんにちはスタッフYuです。南仏を代表する家庭料理のラタトゥイユ。野菜のカット、炒め方、煮込み加減、味付け、基本的な料理のテクニックがつまった一品です。
とはいっても難しく考えることはなくあくまで家庭料理ですので一度は挑戦してみてください。シェフはカナッペにしましたがローストチキンの付け合わせにしたり焼いたお魚と一緒に召し上がるのもオススメです。
その他にも美味しい召し上がり方を知りたい方は是非ノリエノジまでお越しください。