2016/11/22 スパイスとお茶
お茶の専門店に行くと、あらかじめ様々なスパイスがブレンドされたフレーバードティーも数多く販売されていますが、スパイスの特徴がわかれば、自分で好みのスパイスティーを作ることもできます。例えば、「スパイスの女王」とも呼ばれる「カルダモン」は、甘くエキゾチックな香りを持ちながら柑橘系のすっきりした味わいで、いつもの紅茶をリッチに仕上げてくれます。同じくエキゾチックな味わいを楽しむなら「ナツメグ」もおすすめです。
スウィーツにもよく使われる「シナモン」は、甘みのある優しい香りが特徴、逆にちょっと辛口な大人の紅茶を味わうなら「ブラックペパー」がピリッとしたアクセントに。爽快な香りと辛味が特徴の「ジンジャー」は温かい紅茶にプラスするとじんわりと体を温めてくれます。
いずれもミルクとの相性が良く、特に乳製品と相性抜群のナツメグはミルクティー向きです。また、シナモンとカルダモンは、砕いて粉末にすると渋みやえぐみが生じるのでホールのまま使うのが好ましいとされています。
以上、代表的なスパイスをご紹介しましたが、これらの特徴をうまく生かしてミックスすると香りや風味に深みが出たり、逆にお互いの特徴が合わさることでマイルドになったりするので、ぜひ、いろいろなブレンドを楽しんでみて下さい。
おいしいスパイスティーを作るなら紅茶選びも重要です。例えば、紅茶の香りや風味を生かしたスパイスティーにするなら、香りと味のバランスが良く、軽くて渋みの少ない茶葉を。スリランカの「キャンディ」や「ディンブラ」、インドの「ニルギリ」などがおすすめです。マサラチャイのようにスパイスやミルクをふんだんに使う場合は、コクのある強い味わいが特徴の「アッサム」が最適。
ちなみに、ストレートで香りを楽しむ「ダージリン」はスパイスティー向きではなく、特に香り風味共に繊細なファーストフラッシュは避けた方がいいでしょう。いずれにしても、スパイスを入れすぎてしまうと紅茶の香りや風味が消えてしまうので、紅茶の引き立て役程度に控え目の量でプラスするのがポイントです。ぜひ、自分好みにアレンジしたスパイスティーで、冬のティータイムを楽しく過ごして下さい!
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スパイスティーといえば「マサラチャイ」!
スパイスティーで代表的なものといえば、近年日本でもすっかり定着したといえる「チャイ」。日本では一般的にスパイス入りのミルクティーをチャイと呼びますが、チャイとは本来インドやネパールで日常的に飲まれている煮出し式ミルクティーのこと。スパイスで香りをつけたものは「マサラチャイ」と呼ばれ、ヒンディー語で「チャイ」はお茶、「マサラ」はスパイスを意味します。
マサラチャイに使われる主なスパイスは、ジンジャー、シナモン、クローブ、カルダモン、ブラックペパー、コリアンダーなど。本場インドではチャイ屋さんはもちろん、家庭によってもスパイスの種類や配分を好みで調整するそうです。少量の水で濃い味に煮出した紅茶に、たっぷりのミルクを足してグツグツと煮出し、そこにスパイスを加えて作ります。スパイスの味を効かせたい場合は早いタイミングで、ほんのり香りづけ程度であればタイミングを遅らせてスパイスを加えます。大量の砂糖を入れるのも本場流に仕上げるポイントです。