2017/01/19 スパイスと逸話
まず、はじめにご紹介するのは、「家」や「家族」の幸運にまつわるハーブ「バジル」。ヨーロッパでは古くから幸福をもたらすハーブとして使われてきたとのこと。バジルを持ち歩くと幸運が訪れると言われ、新居のお祝いとして贈るとその家に幸運が舞い込むとも。豊穣のシンボルとしても扱われていたといい、商売繁盛を願って仕事場の入り口に置いたりされていたようです。インドでも「ホーリーバジル(Holy basil)」と呼ばれ、古くから神聖なハーブとして扱われており、人々の幸福を願い、家の庭や寺院の周辺に植えられてきた歴史があります。
ギリシャ語で「山の喜び」を意味する「Origanum」に由来する「オレガノ」も古代から幸運の象徴と考えられてきたハーブです。こちらはカップルの幸運にまつわるハーブで、結婚式で新郎新婦がオレガノで作った冠をつけて幸せを祈ったと言われており、属名にオレガノと同じ語源を持つ「マジョラム」も同様に幸福のシンボルとして結婚するカップルの頭にかぶせる冠に使われていたとのこと。
結婚式といえば、インドでは「ターメリック」が縁起の良いスパイスとされており、結婚式の際には、ターメリックで色付けしたライスがふるまわれ、花嫁も肌にターメリックを塗って化粧をした姿で登場するのだとか。
そして、忘れてはならないのが、健康にまつわるハーブ「セージ」です。「長寿のシンボル」として古代からヨーロッパで重宝されてきたハーブで、「庭にセージを植えているものが、どうして死ぬことができようか」「長生きしたければ5月にセージを食べよ」といった言い伝えが数多く存在するほどです。
続いてご紹介するのは、何かにチャレンジしたり、「ここぞ!」という勝負時に使いたいハーブ「タイム」です。ギリシャ語の「勇気(Thymon)」に由来し、古代ギリシャ時代のヨーロッパでは、気品のあるすがすがしい香りが人間の能力を高めると信じられていたとか。「持ち主に勇気をもたらす」という言い伝えはその後もローマ時代、中世ヨーロッパに渡って信じられていたといい、女性たちは戦いに出る騎士や戦士にタイムの葉や小枝を添えた贈り物をしたと言われています。
また、「勝負」にまつわるとハーブといえば、「勝利」「栄光」「栄誉」の象徴として知られる「ローレル(ローリエ)」です。古代ギリシャ時代より神聖な樹木とされ、軍人・詩人・学者・アスリートなどの分野で優れた才能を持つものに授けられてきた歴史があり、現在もノーベル賞の受賞者をはじめ、勝利したアスリートに授けられる習慣が残っています。
以上、幸運にまつわる代表的なハーブ・スパイスをご紹介してきましたが、新年のげんかつぎに活用してみてはいかがでしょうか?
これまでご紹介してきたように、スパイスは古くから使われてきた歴史があり、特に、ヨーロッパでは様々な逸話や言い伝えと共に長く親しまれて来ました。そこで今回は新年にちなんで、縁起が良いと言われる幸運を呼ぶスパイス・ハーブをご紹介したいと思います。