2017/07/20 ハーブの魅力
ハーブ=虫除け、というとあまりピンと来ない感じがしますが、実は、ほとんどのハーブは何かしら虫が嫌がる成分を含んでいると言われています。植物は人間や動物のように動くことができないため、生き抜く上で様々な成分を自ら作り出しています。栄養分はもちろん、受粉のために虫をおびき寄せる、逆に外敵となる害虫から身を守るため、香りや色素といった成分を自身で作り出すのです。つまり、虫除けにハーブを使うことは自然の理にかなっていると言えます。
特に、蚊よけに良いとされる成分はほとんどのハーブに含まれており、ペパーミントやハッカに多く含まれるメントール、バジルに含まれるシネオールといった成分は蚊を遠ざけてくれると言われています。中でも、蚊は柑橘系の香りを非常に嫌うため、レモンと同じシトラールという成分を含むレモンバームやレモングラスは蚊に絶大な効果を発揮するとも。エッセンシャルオイルを使用すれば効果はさらに高まると言われています。
ローズマリーも他のハーブ同様、蚊よけに良いとされていますが、こちらは衣類の虫やダニに効果的と言われています。ローズマリーはカンファーという香り成分を含んでおり、この成分は衣類の防虫剤にもよく使われているとのこと。よくタンスの防虫剤の匂いの表現として「樟脳(しょうのう)の匂い」という言い方をしますが、実は樟脳はカンファーの和名であり、私たち日本人にはこちらの名称の方がピンとくるかもしれません。
害虫から衣類を守ってくれるハーブとしては、芳香剤などの香料にも使われるラベンダーも効果的とされています。こちらは蛾、ダニ、ノミに対する忌避効果があるとされ、特に蛾に効果を発揮すると言われています。人間にとっては癒しを与える甘い香りも、蛾にとっては嫌な臭いなんですね。
また、タイムもハエやダニを遠ざける効果があるとされています。タイムはチモールという成分を含んでおり、防腐作用があると言われてきたことから、古くから肉の保存などにも利用されてきたハーブです。
そして、何と言っても退治したいのがゴキブリではないでしょうか。こちらにはクミン、キャラウェイ、ナツメグといったスパイシーなハーブが効果を発揮するようです。逆にユーカリ、アニス、バニスビーンズなど、甘い香りを持つハーブはゴキブリを引き付けてしまうそうなので注意が必要です。
ハーブは、そのまま置いても虫除けの効果はあるとされていますが、葉の部分を煮出してスプレーとして使うとさらに効果的とのこと。また、衣類の防虫には乾燥させたハーブをポプリやサシェにして、タンスに忍ばせておくといいでしょう。
料理やハーブティーなど、食用としても使われるハーブには、何より安心して使えるというメリットがあります。私たちを様々な虫から優しく守ってくれるハーブ。料理にも虫除けにも、まさに一石二鳥の使い方ができるのです!
暑い夏がやってきました。海へ山へとレジャーが楽しいこのシーズン、虫よけ対策に頭を悩ませる方も多いのでは?そんな時思い出していただきたいのがハーブです。通常、主に料理に使われるハーブですが、実は虫除けにも利用できるということはあまり知られていないようです。そこで今回は、虫除けにも大活躍するハーブのお話をしたいと思います。