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SPICE STORYスパイス物語

世界のお茶の飲み方あれこれ

2019/04/18 スパイスとお茶

独自のお茶文化を持つ日本はもちろん、お茶は世界のあらゆる地域で飲まれています。世界の紅茶文化を牽引するイギリス、世界トップのお茶の産出国である中国、インドはもとより、意外とお茶の消費量が多いのがトルコ、イラン、クウェート、モロッコといったアラブ諸国であったりします。

また、私たち日本人に馴染みの深い緑茶は実はマイノリティー。世界全体では紅茶が主流で、全世界の生産量の約8割が紅茶であると言われています。さらに、 世界的には砂糖やミルクを加える飲み方が広く好まれ、何も加えずそのまま飲むという私たちにとってごく当たり前な飲み方も、世界的にはあまり見られない飲み方なのです。そこで今回は、世界のちょっと変わったお茶の飲み方についてご紹介したいと思います。

パンチのある甘さが特徴の濃厚ミルクティー

紅茶の生産量のトップを誇るインドをはじめとする南アジアでは、日本でも既におなじみとなっている「チャイ(Chai)」が飲まれています。たっぷりのミルクで紅茶を煮出すミルクティーで、砂糖もたっぷり加えます。クローブやシナモン、ジンジャーなど、スパイスを加えた「マサラチャイ(Masala Chai)」も広く飲まれており、その日の体調に合わせてスパイスを調合するそうです。チャイは通常「ダスト(Dust)」と呼ばれる粉状の茶葉で作られますが、これはイギリス植民地時代の名残であると言われています。良質の茶葉がイギリスに送られた後に残った粉のような茶葉をおいしく飲む方法として編み出された産物なのだとか。

東南アジアは多民族国家が多いため多様なお茶文化が存在しますが、マレーシアやシンガポールのインド系、マレー系の人たちの間ではコンデンスミルクを使うミルクティーが広く飲まれています。濃い紅茶に砂糖とコンデンスミルクを加えるため非常に甘いお茶となっています。また、タイには「チャーイェン(Cha yen)」と呼ばれる鮮やかなオレンジ色のアイスティーがあります。コンデンスミルクと食紅で作られるこちらのアイスティーもとにかく甘いのが特徴です。

もはやお茶ではなくスープ?

一方、同じミルクを使うお茶でも、モンゴルでは一風変わった飲み方がされます。
「スーテーツァイ」と呼ばれるこちらのお茶は、「磚茶(たんちゃ、緑茶などをレンガ状または円形に固めた茶葉)」という黒茶を削ったものに、牛やラクダのミルクと塩を加えた、お茶というよりはスープに近い飲み物になっています。好みで穀類や栗などを入れることもあるそうで、こちらは「ボダータイ・ツァイ」と呼ばれ、さらに料理的要素が強いものになっています。

チベットでも磚茶を使ったお茶が飲まれますが、こちらは「酥油茶(スーヨウチャー)」と呼ばれる「バター茶」で、ヤクのミルクで作られたバター(ギー)と塩を加えて作ります。好みでクルミや松の実、卵などを加え、「ドンモ」と呼ばれる筒状の専用器具で撹拌するのが特徴です。

このようなお茶の飲み方は、モンゴルやチベットといった標高3,000m以上の高地で暮らす人々が、貴重な栄養源を摂取するための知恵から生まれたとも言えるでしょう。そのため一日に何十杯もこれらのお茶が飲まれているようです。

高温乾燥地帯ではたっぷりの砂糖でアツアツのお茶を!

中東をはじめとするアラブ諸国は、中世においてペルシャ(現在のイラン)周辺が貿易の中継地点であったことから早い段階でお茶が伝わったため、意外にもお茶の消費量の多いエリアと言われています。紅茶、緑茶、ハーブティーなど、様々なお茶が飲まれていますが、気温が高く乾燥した地域であるため、砂糖をたっぷりと入れた熱いお茶を一日に何度も飲む習慣が根づいています。

同様に、国土に広大なサハラ砂漠を持つ北アフリカのモロッコでもお茶が沢山飲まれています。モロッコには18世紀頃にヨーロッパ経由でお茶が伝わったと言われていますが、紅茶ではなく緑茶が定着したのが特徴で、「アッツァイ」と呼ばれるミントを加えた緑茶を飲む喫茶習慣が生まれました。

「ガンパウダー(Gunpowder)」と呼ばれる細かい茶葉の中国の緑茶を使用し、熱湯を高い位置から勢いよく注ぎ、そこにフレッシュミントとたっぷりの砂糖を加えます。日本の緑茶と違い、茶葉とミントの成分を十分に引き出すため抽出時間を長くするそうです。銀やアルミニウムのポットとトレイ、小ぶりのグラスでふるまわれ、一日に何杯も飲まれているそうです。

このように国によってお茶の文化も様々です。いつものティータイムを一味変えるアイディアとして参考にしてみてはいかがでしょうか。