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スターアニスを制すれば台湾が楽しくなる!

2019/11/21 スパイスの魅力

台湾に行くと「なんだか臭う」と耳にしたことはありませんか?実はこのにおいの正体は「スターアニス」なのだとか。今回は、スターアニスと台湾についてのお話です。

煮込むと放つ独特の香り

「スターアニス」とは中国を原産とする「トウシキミ(唐樒)」の果実を乾燥させたもの。8つの角を持つ星形をしていることから「八角」とも呼ばれ、こちらの名称の方がピンとくる方も多いかもしれません。主に中華料理に使われ、豚の角煮などの煮込み料理、杏仁豆腐のシロップやコンポートなどの煮物系デザートに使われます。また、中国のミックススパイス「五香粉」に使われるスパイスの1つでもあります。

スターアニスは甘み、辛味、苦味を合わせ持つクセのある風味が特徴と言われ、「独特の香り」と形容されることが多いのですが、スパイスそのものにはそれほどの香りはありません。実は、スターアニスは煮込むことで独特の香りを放つスパイスなのです。

スターアニスをふんだんに使う台湾の煮込み料理

では、なぜ台湾に行くとこのスターアニスの香りがするのか。それはズバリ、スターアニスを使った煮込み料理が沢山存在するから。台湾の煮込み料理、鍋料理、特に肉を使ったものにはほとんどと言っていいほどスターアニスが使われているのだそうです。

例えば、最もポピュラーと言われる料理の1つである「魯肉飯(ルーローファン)」。豚の角煮を細かくしたようなそぼろ肉と甘辛いタレをごはんの上にトッピングする料理で、現地では人気が高いそうですが、もれなくスターアニスが使われています。

屋台料理で有名な「滷味(ルーウェイ)」は、肉や野菜など好きな具を選んでザルに取ると、店員が濃厚醤油スープで煮込んでくれる料理ですが、こちらもスターアニスがガッツリ効いたスープとなっています。

また、ポピュラーで人気の高い麺料理「牛肉麺(ホンシャオニョーロウメン)」にもスターアニスがふんだんに使われており、日本の中華麺の感覚で食べると味とのギャップが生じるようです。

これらの料理の味の特徴としては甘辛+スターアニスの組み合わせなので、食べる前にイメージをしておくといいかもしれません。

コンビニでスターアニスの洗礼を受ける

実は、このスターアニスの香りは、レストランや屋台のみならず、コンビニに入った瞬間にも漂ってくるといいます。それは、「茶葉蛋(チャーイエダン)」という台湾風煮卵がコンビニに鍋ごと置いてあるからなのだそう。茶葉蛋は烏龍茶などの茶葉や醤油といくつかのスパイスで煮ることで味と風味をつけたゆで卵なのですが、その主要スパイスとしてスターアニスが使われているため、独特且つ強烈なにおいがコンビニの店内に充満しているとのこと。人によってはこの不意打ちのにおいを「洗礼」と捉えることもあるのだとか。ちなみに、茶葉蛋は日本のゆで卵同様、コンビニの定番商品のため、コンビニに入ったらこのにおいからは避けられないようです。

スターアニスの香りと風味は独特である故に好き嫌いが分かれるようです。台湾を楽しむには、コンビニに通って茶葉蛋を食べて、スターアニスに慣れるのも1つの方法かもしれません。