2020/04/16 ハーブの魅力
エルダーの木は大きいもので10m位まで成長し、5月〜6月初旬にはクリーム色の花を咲かせ、夏の終わりから秋にかけて黒みがかった紫色の実をつけます。この花の部分が「エルダーフラワー(Elderflower)」と呼ばれており、一つ一つの花は5〜6mmと小さく、その小さい花が沢山集まって20cmほどの円形になって咲く様は、まさに可憐そのもの。初夏の1か月だけに花を咲かせるのも特徴で、イギリスでは初夏の訪れを知らせる花としても親しまれているようです。
また、実の部分は「エルダーベリー(Elderberry)」と呼ばれ、その色の特徴が学名の「nigra(黒い)」の由来になっているとのこと。エルダーは、葉・茎・花・実すべて活用できるそうですが、ハーブティーや料理といった食用には主に花と実が使われます。
エルダーフラワーの特徴は、「マスカットの香り」と形容される甘くてフルーティーな香りと爽やかな味わいで、ハーブティーとしても比較的飲みやすいと言われています。ストレートでそのまま飲むのはもちろん、はちみつを加えたり紅茶とブレンドすると、さらに飲みやすくなるそうです。
また、イギリスや北欧では、エルダーフラワーに砂糖とレモンを加えて煮詰めて作る「コーディアル(cordial)」と呼ばれるシロップがとてもポピュラーで、家庭で作るのはもちろん、市販のものも売られているのだとか。この「エルダーフラワー・コーディアル」は水や炭酸水で薄めて飲む他、お湯で割ってホットドリンクに、ワインとブレンドしてカクテルに、とドリンクとしてのバリエーションも豊富です。また、お菓子やジャムの香りづけなどにも利用されるそうです。
ちなみに、実の部分の「エルダーベリー」もジャムや果実酒になどに加工されています。
ぜひ、エルダーフラワーのハーブティーやコーディアルを取り入れて、ヨーロッパ風に初夏の訪れを楽しんでみてはいかがでしょうか?
桜の季節が過ぎると、爽やかな新緑の季節がやってきます。今回は、そんな初夏の季節にふさわしいハーブ「エルダーフラワー」についてお話ししたいと思います。
エルダーは、和名で「セイヨウニワトコ」(西洋接骨木、学名Sambucus nigra)と呼ばれる、レンプクソウ科ニワトコ属の多年草落葉低木。原産はヨーロッパですが、現在は広く栽培されており、ヨーロッパをはじめ、北アフリカ、西アジアでも自生しているとのこと。
ヨーロッパでは古くから馴染みが深い植物で、特に、イギリス、ドイツ、スウェーデンといった北ヨーロッパで親しまれてきました。エルダーの木には古くから魔除けの力がある、また、精霊が住んでいると信じられ、様々な伝説や迷信があると言われており、現在も、広場や道端だけではなく、庭先に植えられているところも多いようです。