2021/01/21 ハーブの魅力
ハーブビネガーとは、その名の通りハーブで香りをつけたビネガーのこと。ということで、まずは材料となるビネガーとハーブを準備します。ハーブビネガーに使うビネガーは、ワインビネガー、純米酢、アップルビネガー、穀物酢など、基本的にはお好みに応じて選んでいただいていいのですが、ヨーロッパではワインビネガーが一般的とされ、また、アップルビネガーも色香り共にクセがなく使いやすいと言われています。ハーブに関してもお好みで選んでOKですが、ローズマリー、タイムがよく使われるとのこと。いずれにしても、ハーブビネガーをどのような用途で使うかによってビネガーとハーブの相性も変わってきますので、その点は後述いたします。
次に保存容器の選び方。容器は浅めのものより瓶状の深めのものの方がハーブ全体を漬け込むのに適しています。大きさは150〜200mlぐらいのものが使いやすく、ある程度使い切りやすい量ということでも適しています。重要なポイントとしては、容器の蓋は金属製ではなくコルク栓のものを選ぶこと。金属製は錆びやすいというデメリットがあるのでNGです。また、容器は事前に煮沸消毒をしておくこと、水分が大敵なのでしっかり乾燥させておくことも大事なポイントです。
作り方はいたってシンプルで保存容器にハーブとビネガーを入れるだけ。ただし、いくつか気をつけたいポイントがあります。自宅で栽培した摘みたてのフレッシュハーブを使いたい方も多いと思いますが、その場合しっかりと水洗いした後十分に水気を取ることが重要です。とにかく水分が大敵なので、ここはしっかり守っておきたいポイントです。ローズマリーやタイムといった木本類と呼ばれる枝状のハーブは110〜120℃の温度で4〜5分ほどオーブンで加熱するのもいい方法です。バジルやミントなど草本類と呼ばれるハーブは茎の部分に水分が多く含まれているので、葉の部分だけを使うようにします。
ハーブを容器に入れたら、ハーブが十分に浸かるようにビネガーを注ぎます。ハーブが空気に触れるとカビが生えてしまうことがあるので、ハーブがしっかりと浸かるまでビネガーを注ぐことがポイントになります。こうしてハーブとビネガーをミックスしたら、1日1回よく振ってなじませ、直射日光の当たらない場所で少なくとも1週間ほどの抽出期間を設けます。2〜3週間するとビネガーのかさが減り、浸かっていないハーブの部分が出てくるので、カビ防止のためにもハーブを取り出すのがベター、新たにハーブを加えるのもいいでしょう。ちなみに、取り出したハーブは料理にも使えます。
1週間も待ちたくないという方には、ビネガーを温めて即席で作る方法もあります。鍋にビネガーを入れて火にかけ、沸騰する直前に火からおろし、ハーブを入れた容器に温めたビネガーを注ぎます。室温まで冷めたら蓋を閉め、24時間置けば出来上がり。出来上がったらハーブは取り出しましょう。保存期間はいずれの場合も冷暗所で1〜2ヶ月が目安、ドライハーブを使った場合はもう少し長くても大丈夫だそうです。ただし、夏場は劣化が早いので早めに使い切ることをおすすめします。
ハーブビネガーは料理はもちろん、その他にも様々な用途に活用できます。ここからはその用途と用途に応じたビネガーとハーブの組み合わせについてお話したいと思います。まずは料理。ハーブビネガーをそのままサラダに、または、オイルと塩、ペッパーを合わせてドレッシングに使うのが最もポピュラーな使い方。ここに卵を混ぜてハーブの香り漂うマヨネーズを作ることもできます。その他、野菜を漬けてピクルスに、マリネ作りに、レモンの代わりに揚げ物に振りかけるなど、様々な使い方ができます。
料理には基本お好みでビネガーを選んでいただいていいのですが、やはりワインビネガーやアップルビネガーが使いやすいとされています。ハーブは、ローズマリー、タイムをはじめ、オレガノ、ディル、イタリアンパセリ、セージ、ミント、タラゴン、バジルなどが相性が良いとされています。バジルやオレガノを使うと一気にイタリアンテイストになりますし、和風にしたいときはシソなどもおすすめです。また、ピリッとしたアクセントにペッパーやトウガラシ、マスタードシード、ガーリックなどのスパイスをプラスすると味に奥行きが出ます。スパイスは酸化防止のためにもホールで使うのがポイント。スパイスを加えると味も強く出るので、赤ワインビネガーと組み合わせてみてもいいでしょう。
次にご紹介するのがハーブビネガードリンクです。ハチミツとお湯を注いでホットドリンクに、水や炭酸で割ってサワードリンクに、ミルクで割ってヨーグルト風味のドリンクに、カクテルのベースに、とバリエーションも豊富です。ドリンク用のビネガーにはアップルビネガーや穀物酢、シャンパンビネガー、ハーブはラベンダー、ミント、ローズヒップ、ハイビスカスといったハーブがおすすめです。また、フルーツとミックスしたり、アイスクリームやヨーグルトにかけるなど、デザートにも応用できます。
ハーブビネガーは飲食用以外にも、例えばヘアコンディショナーとしても使えます。ビネガーはアップルビネガーをベースに、ラベンダー、ローズマリー、カモミール、ローズ、ハイビスカス、ネトルといったハーブを組み合わせます。ヘアコンディショナー用のハーブビネガーにはドライハーブを使用するのがおすすめです。使い方はいたって簡単で、ハーブビネガーを5倍ほどのお湯で薄め、シャンプー後の頭皮になじませ、5分ほど置いた後お湯で軽くすすぐだけ。材料は全て食用に使えるものですが、お肌との相性は事前にチェックしておくといいでしょう(お肌に異常が出たり、体質的に合わない場合には使用をお控えください)。
また、ハーブビネガーはお掃除にも活躍してくれます。酸性のビネガーは水あかや石鹸カスといったアルカリ性の汚れを中和してくれるので、特にキッチンやバスルームといった水まわりのお掃除に最適で、ガラスや鏡などもピカピカになります。さらにハーブが加わることで、ビネガー特有のツンとした臭いをマイルドにしてくれるので、ビネガー単独よりもグッと使いやすくなります。ビネガーは香りにクセのないワインビネガーやアップルビネガー、ハーブはラベンダー、ミント、ローズマリー、レモンバームなどがおすすめです。こちらも使い方はとっても簡単。ハーブビネガーを3〜6倍ほどの水で薄め、スプレー容器に入れて使うだけです。ただし、ハーブビネガーは酸性のため、塩素系の漂白剤や洗剤とは絶対に混ぜない、大理石等のタイルは変色する場合があるので使用を控えるなど注意が必要です。
ハーブビネガーは料理の時短になる上、香りや味わいが贅沢になるという嬉しいメリットがあります。用途に合わせていくつかのバリエーションで作るも良し、全ての用途を網羅する万能バージョンで作るも良し。日々の生活の便利アイテムとして、ハーブビネガーをぜひ作ってみてはいかがでしょうか?
ご自宅のお庭やベランダで簡単にできるハーブ栽培ですが、沢山育ち過ぎて使い道に困った経験がある方も多いはず。
そこで今回は、そんなお悩みを解決する便利なアイテムである「ハーブビネガー」をご紹介したいと思います。