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知る人ぞ知るレアスパイス「馬告(マーガオ)」

2021/09/16 スパイスの魅力

以前、台湾といえばスターアニスというお話をしましたが、実は、台湾には知る人ぞ知る魅力的なスパイスがあります。それが、今回ご紹介するスパイス「馬告(マーガオ)」です。珍しいスパイスなので聞いたことがない方も多いかもしれませんが、近年、世界中のシェフが注目していると言われており、今後ますます人気が高まるとも言われているスパイスなのです。

台湾の原住民に愛されてきた幻のスパイス

馬告(マーガオ)とは、クスノキ科ハマビワ属の落葉小高木に実る緑色の実をスパイスにしたもので、正式名称は「山胡椒」。中国では「山蒼樹」、日本では「アオモジ」と呼ばれ、植物自体は中国、日本、東南アジアなども原産とされていますが、スパイスとしては、台湾の山奥に原生する固有種から収穫される実を乾燥させたもののみが利用され、台湾独自のスパイスとされています。ちなみに、日本で「山胡椒」と呼ばれる植物はヤマコウバシといい、馬告とは別品種です。

馬告は、台湾の原住民である「泰雅(タイヤル)族が、古くから愛用してきたスパイスで、現地語で「伝統」「長寿」「繁栄」を意味し、「伝統が長く繁栄すること」を願った言葉としてこのスパイスに名付けられたと言われています。馬告は、タイヤル族の居住地域である台湾北部の苗栗や中部の南投といった標高1500m前後の山脈地帯で栽培されており、車では入ることのできないような山奥であるとのこと。馬告の木は3〜5mほどの高さに成長し、4〜6月に花を咲かせた後、実が熟したら収穫となります。

鮮やかな緑色の実を天然乾燥させて黒い実にしたものがスパイスとして利用されますが、収穫から選別に至るまで一つ一つの工程は全て手作業で行われているのだとか。このように多くの手間がかかっていることに加え、収穫時期は6〜8月と短く、収穫場所によって香りの強さや粒の大きさが異なるので厳選を要することもあり、どうしても収穫量が限られてしまうとのこと。そのため、台湾でも一般には多くは出回らない非常に希少価値の高いスパイスとされ、「幻の香辛料」「レアスパイス」「山の黒パール」などと呼ばれているそうです。

見た目を裏切る独特の香り

では、そんな馬告とは一体どんなスパイスなのか見ていきましょう。まず、見た目の特徴。「山の黒パール」と称されるように黒い粒状をしており、見た目は黒胡椒にそっくりだったりします。ただ、黒胡椒より柔らかく、パリパリとした食感を特徴としています。

次に香り。香りは黒胡椒のような見た目を裏切る強烈なレモングラスの香りを放ち、その香りの高さは一度味わうとやみつきになるとも言われています。それもそのはずで、馬告にはレモングラスに含まれるシトラールという成分を含んでいるからなのです。そんな強く独特の香りを持つ馬告ですが、砕いたり潰すことで逆に香りが抑えられるというユニークな特徴を持っています。

そして、味。山椒のようなピリッとした辛味とほのかな苦味があります。特に、煮込むことでショウガのような絶妙なほろ苦さが強調されます。そこにレモングラスの香りが後味に爽快感をプラスしてくれます。

このように、香りや風味が何層にも重なる奥行きのある馬告は、料理のアクセントにも香りづけにも活用できる魅力的なスパイスなのです。

意外にも万能!なスパイス

独特な香りや風味を持つ馬告ですが、意外にも様々な料理に活用できるスパイスだったりします。和食や中華、イタリアン、フレンチ、エスニックに至るまで、あらゆるジャンルにマッチし、肉料理、魚料理、スープ、パスタ、スウィーツといったあらゆる料理に利用できるそうです。また、焼く、煮る、炒める、かける、蒸す、茹でるといった様々な調理法に対応できる、まさに万能スパイスとも言えるスパイスなのです。

本場台湾の馬告料理としては、馬告を練り込んだソーセージ、「馬告香腸」と呼ばれる原住民料理が人気メニューとなっています。また、鶏肉を馬告と一緒に煮込んだ「馬告雞湯」と呼ばれる馬告鶏スープも代表的な料理とされています。実際、スープに馬告を使うなら鶏肉を使ったチキンスープがおすすめで、数粒入れると味が洗練され馬告特有のレモングラスの香りも引き立ちます。また、ジビエなど臭みのある肉やクセのある川魚の臭み消しにも活躍し、素材の旨みも引き出してくれます。その他、餃子や小籠包といった中華料理、パスタ、ピザ、リゾットといったイタリアン、カレーやステーキ、カルパッチョ、サラダ、お刺身やラーメンなどとも相性が良いとされ、料理のアイデアを掻き立てるそのポテンシャルの高さに世界中のシェフも注目していると言われています。

馬告は素材の味や甘みを引き立ててくれるのでスウィーツにも活用できます。レモングラスの強い香りを活かしたケーキやチョコレートは台湾でも流通しており、アイスクリームやフルーツとも好相性とのこと。さらに、飲み物との相性も良く、すり潰した馬告をコーヒーと一緒にドリップするとスッキリ且つ洗練された味わいになり、朝一番の目覚めのコーヒーにピッタリです。その他、爽快感のある喉越しが楽しめる馬告入りのビールや焼酎も台湾で商品化されており、ワインやカクテルにもアレンジができるそうです。

使い方も自由自在で、例えば、ホールのまま使えば、パリパリとした食感と口の中いっぱいに広がるレモングラスの香りが楽しめますし、逆に香りを抑えたい時には砕いたり粉末にすれば、ほのかな香りが楽しめます。また、胡椒や唐辛子、シナモンといった他のスパイスとブレンドして使うこともできます。

じわじわ人気が高まりつつあるとはいえ、レアスパイスと言われる馬告は日本国内で取り扱っているお店もごくわずか。通販であれば比較的手に入りやすいようなので、ぜひ、いち早く試してみてください!