2017/11/09
お料理を辛くしたり、香りをつけたりする以外に「色をつけて美味しく見せる」という大きな役割を持ったスパイス達がいます。例えばカレーライスはスパイシーな香りと合わせて、あの黄色い色がトレードマーク。ターメリック(別名:ウコン)という黄色いスパイスが、その美味しいそうな色味を演出しています。
「目で食べる」という言葉があるように、彩は香りや味と共にお料理を美味しくさせる大切な要素の1つ。多くの加工食品分野でもスパイス達が色付けを担当しています。ラーメンや冷やし中華の黄色い小麦麺にはクチナシの色素が使われていますし、辛くて美味しいキムチには赤い色を出す「パプリカパウダー」が使われています。
栗きんとんの黄金色は「クチナシ」や「紅花」、パエリアのレモン色のご飯は「サフラン」、ローストチキンの美味しそうなこんがり色は「パプリカパウダー」の演出です。皆、この色味のグループに所属していて、食材の色をイキイキとさせ、お料理を目で楽しませるという大切な役割を担っています。
ターメリックとパプリカパウダーは油と一緒に調理することで、はじめてその実力を発揮できる「油溶性」のスパイス。水には溶けにくいので必ず油と一緒に使用するか、お肉やお魚などの油分のある食材をマリネするなどして、その個性をうまく引き出してあげましょう。
煮込み料理に使いたい場合は調理の初期段階からじっくりと煮込むことで色味の成分をスープの中に溶かします。
肉や魚貝はもちろんのこと、卵や牛乳などの乳製品にも油分があります。また加工食品や調味料などにはたいてい油脂が含まれていますから、クリームチーズなどにパプリカパウダーを練り込むだけでも、可愛いレンガ色をした美味しいスパイスチーズができあがります。
忘れてはいけないのが「使うタイミング」。ターメリックは土臭く、パプリカパウダーは沢山使うと粉っぽさが気になります。使用する際は調理の下ごしらえか初期段階に、油脂性のものと合わせてしっかりと焼いたり、炒めたり、煮込むようにしてください。お料理に色をつけるのが目的ですから入れすぎには要注意!色がつく必要最低量を使うこともお忘れなく。
パプリカパウダーをクリームチーズに練り込む場合は、フライパンで少し乾煎りしてあげると粉っぽさが弱まります。また、作りたてをすぐに食すのではなく、1-2日冷蔵庫で寝かせてあげるとスパイスがクリームチーズの油分と調和して粉っぽさが緩和されます(ターメリックは土臭いので火でじっくり調理する料理にしか使いません)。
パエリアに使う「サフラン」や「クチナシ」、「紅花」は水溶性のスパイス。油には溶けないので、必ずお水やお酒、お酢などに浸して黄色い色を抽出します。ジャガイモを茹でるお湯に入れたり、ピクルス液に加えたり、ご飯を炊く時にふたつまみほど(クチナシは大きく粉砕して半量ぐらい)入れて炊くだけで、白い食材が綺麗なレモン色に染まります。
色味のスパイスはこの5つだけ、油と相性が良いのか水と相性が良いのかを覚えれば完璧です。
レストランなどでは、ポテトサラダの上に紅花やパプリカパウダーがトッピングされていることがあります。色味のスパイスの中でこんな風に少量でも振りかけて使えるのはこの2つだけですので、このことも覚えておいてくださいね!
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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