2021/10/14
「スパイスは使いこなすのが難しい」と言われる理由は、たくさんの種類のスパイスを1つ1つ「どうやって使ったらよいのだろう?」と考えてしまうからではないでしょうか?
「料理に辛味やアクセントをきかせるもの」、そんなイメージの強いスパイス。
他にも特徴的な働きがあり、その働きを理解すると、意外にもスパイスは簡単に使いこなせるようになるんです!
流通しているスパイスは60種類ほど。その全てのスパイスが
の、いずれかの役割(働き)を担っています。
ここで大切なのが、同じ役割を担うスパイスは、同じような使い方をすることができるということ。
どんなに沢山の種類のスパイスがあろうとも、意識すべきスパイスの働きは、たったの3つだけで良いのです。
唐辛子・山椒・胡椒・ガーリック・ジンジャー・オニオン・マスタードなどは、料理に辛味をつけるスパイスです。
熱を加えても辛味が残るもの(唐辛子・山椒・胡椒)と、辛味が消えてしまうもの(ガーリック・ジンジャー・オニオン・マスタード)とで使い方を区別します。
加熱しても辛い唐辛子などは、調理のどのタイミングでも使用でき、辛味の強さに合わせて分量を調節すればOK。
また、加熱によって辛味が消えてしまったり(マスタード)、甘味に変わってしまうもの(生のガーリック・ジンジャー・オニオン)を辛味として使う場合は、調理の仕上げに火を通さずに使います。
サフラン・クチナシ・紅花・ターメリック・パプリカなどは料理に色味をつけるスパイスです。
ピンクペパーやパセリなど、料理に彩りを添える役割のスパイスも色味のスパイスとして扱うことがありますが、色味のスパイスは、料理全体を色付けて視覚的に美味しさをUPさせるために使いますので、基本的に調理の初期段階に使い、しっかり焼いたり煮込んだりします。
サフラン・クチナシ・紅花は水溶性なので、水や酒などの液体と一緒に使います。
また、油溶性のターメリックは土臭く、パプリカは粉っぽいので、油と一緒に良く調理することが必要となるため、必ず調理の下ごしらえか、初期段階に使いましょう。
間違っても、仕上げに振りかけて使ってはいけないのが色味のスパイス。(パプリカパウダーをポテトサラダなどにほんのひとつまみ散らすなどの例外もありますが…)
分量も、色が付く必要最低限にすることがポイントです。(参照:「LESSON 3」)
辛味と色味のスパイス以外は、全て香味のスパイスに分類されます。
クミン・コリアンダーといったシード系スパイスや、クローブ・シナモンといったスパイシー系スパイス、そしてバジル・オレガノなどのハーブ系スパイスがその代表です。
皆さんがスパイスの使い方で迷ってしまうのは、このグループのスパイスではないでしょうか?
このグループのスパイスは、どうしても香りを付けるために使うものと錯覚してしまいがちですが、香味のスパイスの役割は、「臭み消し」です。
例えばクミンは、マトンなどの肉の臭みを、バジルやオレガノはトマトの青臭さを消すために利用され、その結果として、ほのかにスパイスの香りが料理に残ります。
臭みを消すために使うのが目的ですから、香味のスパイスは調理の下ごしらえや初期段階に生の素材に使うことでその力を最大限に発揮してくれます。
また、使用量も臭みが消える程度の少量で良い、ということが自ずと見えてくると思います。
カレーなど、使い方に例外はありますが、この3つがスパイスの基本的な用途です。
スパイスの持つ3つの働きを理解し、今使おうとしているスパイスは何のために使うのかを意識すると、自ずと使うタイミングや分量などが見えてくるのではないかと思います。
今日おさらいした内容は、「LESSON 1」から「LESSON 7」に、詳しく書いてありますので、ぜひ、もう一度読んでみてください。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
あなたの暮らしにスパイスを
ブレンドスパイスで楽しく!美味しく!健やかに!
https://www.facebook.com/spicemalt/
https://blend-spice.com/