2020/04/10
スパイスの魅力である「香味」や「効能」は、小さな粒の中に「精油」として含まれています。
油の大敵は「酸化」なので、スパイスも時間が経ち、太陽からの紫外線を浴び続けると、酸化が進み、その香味や効能のパワーが弱まってしまいます。
お買い物に出かけたら、スーパーの棚に並ぶスパイスの小瓶たちを見てみてください。
可愛らしい形の瓶の外側には、ぐるっとブランド名や商品名が書かれたシールが貼ってあるはずです。
これは、購入してくださる皆さんに消費期限などの大切な情報をお知らせすると共に、実はスパイスに紫外線がなるべくあたらないように工夫されているのです。
「スパイスはどうやって保管したらいいの?」と言う疑問は、スパイスセミナーやスパイスワークショップでは、必ず質問される事柄の1つです。
今回は、スパイスを長持ちさせるためにはどう保管したら良いのか? 少し詳しく説明してみたいと思います。
食材を保管する場所として良く耳にするのが「冷暗所」。
スパイスも「冷暗所」に保管するのが一般的です。
冷たくて暗い場所ということなのですが、実は一番冷たくて暗い場所である「冷蔵庫」はオススメできません。
外気との気温差が理由です。
特に夏は、冷蔵庫から出したものは、すぐに汗をかきますよね?!
スパイスは紫外線だけでなく、湿気にも弱い食品です。
とりわけパウダースパイスはすぐに湿気にやられてしまうので、注意が必要なのです。
やむを得ず、冷蔵庫にしか収納場所がない場合は、冷蔵庫から出したら、使う分だけを小皿に出し、すぐに冷蔵庫に戻すことを徹底してくださいね。
陽のあたらない、ガス台から遠い棚などに、箱などにまとめて収納するのがオススメです。
使用する時には、棚から箱ごと取り出して、使用する分だけを小皿に出し、あとは棚に戻してしまうのがもっとも理想的です。
スパイスを長持ちさせるために、紫外線や湿気に注意して、しっかりと冷暗所に保管していたのに、ある時瓶の中のスパイスが固まってしまっていて、振っても振っても出てこなかった。。。という話をよく聞きます。
実はこれ、調理中の落とし穴なのです!
お料理の最中に、スパイスの瓶がグラグラと湯気のたったお鍋のそばや、パチパチと油がはねるフライパンの火のそばに置かれていませんか?!
日本では、酒や醤油、砂糖などの調味料を加えるように、湯気のたったお鍋やフライパンの上で「スパイスを振りかける」という使い方をしてしまうことが多いからです。
せっかく湿気の少ない冷暗所に保管していても、お料理の時に、湯気や火のそばに置いていれば、酸化も進み乾燥状態が悪くなってしまいます。
ここで1つ思い出していただきたいのが、
「スパイスは食材の臭みを消し、食材の美味しさを引き出すために使うものとして発展してきた」ということです!!
食材の臭みを消すためには、生の食材とスパイスを合わせる必要があるんです。
つまりスパイスは、基本的には調理の下ごしらえ時に使うものなので、グラグラとしたお鍋やフライパンのそばに、おいて置く必要がないのです!!!
「LESSON1」や「LESSON6」で、スパイスを使うタイミングについて説明していますので、ぜひもう1度バックナンバーを確認してみてください。
お料理を始める前に、使用する分のスパイスを小皿に出してブレンドし、塩や酒、油などと一緒にお肉やお魚をマリネします。
煮込み料理でも同じですよ。具材をスパイスでマリネしてから煮込みはじめます。
初めは面倒だと思うかもしれませんが、お料理を始める前に、使う分量のスパイスを小皿に出してみましょう!スパイスの香りに誘われて、お料理を作る気持ちも盛り上がります!
こうしていれば、グラグラと湯気のたつお鍋の上でスパイスを振りかけて、湿気が瓶の中に入ってしまうこともなくなるはずです。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
あなたの暮らしにスパイスを
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