2019/03/14
スパイスは、サフランやクチナシのように、水に溶ける特徴を持つものを除いては、油とお酒に良く溶ける性質を持っているので、「LESSON 9」でご紹介した通り、調味料と一緒に使うと抜群の効果を発揮してくれます。
スパイスを特徴づける香味や辛味、色味などの成分は精油としてスパイスの中に眠っているので、同じ性質の油やお酒に良く溶けるんですね!
ですからお酒を酢酸発酵させた酢にも、スパイスは良く溶けます。
スパイスを調味料と一緒に使うのは、効能をたくさん引き出してあげるための1つのテクニックですが、中でもお酢はスパイスのベストパートナーです。
お酢の爽やかな香りと酸味は、スパイスと食材を調和させてくれるだけでなく、お酢の特徴的な香りと色は、スパイスと同様に種類が豊富で私たちを楽しませてくれます。
しかもお酢は、米や穀物、果物などを酢酸発酵して作られた昔ながらの調味料であることも最大の魅力です。
お酢の殺菌力やお肉を柔らかくする効果は有名ですが、調理の下処理や下ごしらえで使うと、食材の色を明るくしてくれます。
お料理だけでなく民間医療、お掃除などでも活躍してきた素晴らしい万能品のお酢に、スパイスやハーブを漬け込むと、香り豊かなオリジナルのスパイス酢&ハーブ酢が簡単にできあがります!
スパイスの有効成分をお酢に抽出させたスパイスビネガーなら、直接スパイスをお料理に使うよりもずっとマイルドに、失敗なくお料理に香味をつけることができます。
お肉やお野菜を炒める時にほんの少し振りかけたり、ミネストローネのようなスープに入れて煮込んだりすると、料理全体の香味がまとまります。
ただし、入れすぎには注意してください。酸っぱくならない程度の分量で、入れた後は強火で酸味をとばしましょう!!
お肉やお魚の下ごしらえに使えば、臭み消しの効果と合わせて素材が柔らかくなりますし、ドレッシングや、湯豆腐にかけるだけ! のような使い方もできます。
スパイスビネガー作りには、厳格なルールはありません。
好みのホールスパイスやフレッシュハーブをお酢に漬けるだけです。ただしスパイスやハーブは思い切って沢山使ってくださいね!
目安としては、お酢:1カップに対して、ホールスパイスなら1/4カップ、フレッシュスパイス(ハーブ)なら1/2 カップです。沢山入れれば、より香味が増します。
ドライスパイスは、必ずホールを使ってください。
フレッシュハーブを使う場合は、十分に水気を切り、虫やゴミなどがついていない事を確認して、ハーブがお酢から顔をださないように注意しましょう。
カビの原因となります。
後は、冷暗所、室温で保存し、時々瓶を振ってまぜるだけ。約1週間で良い香りがしてきます。
この状態で使い始めても良いですが、スパイスやハーブを漬けたままにしておくと、香り以外の苦味成分なども抽出されはじめます。苦味や渋みが苦手な方は、酢だけを別の瓶に移しましょう。コーヒーフィルターなどで濾せばより丁寧ですね。
漬け込んで1週間目に仕上がりの確認をします。蓋をあけてよい香りだなと思ったら、スプーンに取って味見をします。
香りがたりないと感じた場合は、1週間後に同じようにチェックをして下さい。時々瓶を振って混ぜるのもお忘れなく(蓋をあけるのは1週間に1度)。
これでOKとなったら、そのまま使うか、スパイスを取り出して、飾り用の新しいスパイスを少し、またはフレッシュハーブを1枝入れて完成です。
冷暗所で1ヶ月も漬け込めば、非常に濃厚な香り高いスパイスビネガーになります。
決まりはないので、自分の好みに合わせて抽出期間も楽しみながら変えてみてください。
大事なのは作り手の「好み」なので、「スパイスビネガー」を作る時は、好きな香り、好きな味のお酢を使ってください。
米酢、穀物酢、リンゴ酢、ワインビネガー、シェリービネガー、シャンパンビネガーなど色々ありますね。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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