2021/05/13
異国のマーケット散策は、私の旅の楽しみの1つです。
イタリアの市場には、いくつもの生ハムやサラミが天井からぶら下がったお肉屋さんが何軒もあり、大きなショーケースには、ラムやキッド(子山羊)、豚、チキン、ウサギなど、色々な種類のお肉が並んでいます。
中でも一際目にとまるのは、ローズマリーの枝やセージの葉などが糸で縛り付けられたお肉の塊。
そのままオーブンで丸焼きにできるよう、職人さんが成形してくれているんです。
大きなエプロンをした職人さんが、まな板の上で、チーズやパンチェッタ、そして、ローズマリーなどのハーブをお肉に挟み、糸で縛る様子を見るのはとても楽しく、ワクワクが止まりません。
挽肉に、ブラックペパーなどのスパイスやイタリアンパセリ 、チーズ、パン粉などを混ぜてまるめた「ポルペッタ」と呼ばれる肉団子なども、ショーケースの横で作られています。
お肉を買うと、ローズマリーがサービスでついてくるのも嬉しいですね!
ローズマリーの爽やかな強い香りは持続性があり、チキンだけでなく、豚や羊肉の臭み消しに絶大な効果を発揮してくれます。
塩、胡椒と共に乾燥ローズマリーを手でちぎってまぶしたお肉をグリルで焼くだけで、爽やかな香草焼きが出来上がります。
生の枝葉が手に入るなら、お肉の上に1-2本のせるか、下に敷いてグリルするだけで、しっかりとローズマリーが香ってくれます。
ただし、個性的な強い香りは、使いすぎると素材の旨みをも消してしまうので要注意。
ローズマリーを使う時は、分量はごく少量に。
乾燥のローズマリーなら、鶏のモモ肉1枚に、小さじ1/5で十分です。
フレッシュなものを使う場合は、枝ごと1-2本使いましょう。
ローズマリーは、野菜やフルーツとの相性も良好です。
ジャガイモやカブ、カリフラワーなど、ホクホクとした食感の野菜の下茹でにローズマリーを少量加えると、茹で野菜のモワッとした臭みが消えて、爽やかな香りのアクセントがつきます。
ローズマリーとジャガイモを炒めた「ローズマリーポテト」は有名ですが、私のオススメは、下茹でや蒸し料理などのお湯の中にローズマリーを入れる方法です。
香味の強さをそれほど気にせずに、上手に調理でいかせるからです。
リンゴやオレンジ、マスカットなどのフルーツにも少量添えてみてください。
白ワインを加えたフルーツポンチなどに、フレッシュな枝葉を沈めておくのも美味しいですよ!
ここで皆さんに覚えて頂きたいのが、ローズマリーの使い方2パターンです。
お肉と一緒に使う時のローズマリーは「臭み消し」のためです。
ジャガイモやカリフラワーなどの下茹でも、臭みを消すために使われていますが、ローズマリーポテトや、フルーツポンチでは、「香味づけ」として使われています。
「臭み消し」として使った時は、食材と一緒に食べない!というルールを覚えてください。
香草焼きに使ったローズマリーの枝葉は、食べる時には取り除きます。
乾燥した葉を塩と一緒にお肉の表面に揉み込んで焼いた場合も、食べる時にはナイフで削ぎ落とします。
フルーツポンチに入れた枝葉は、言うまでもなく食べる人はいないと思いますが、ローズマリーポテトのように、まぶして一緒に炒めた場合はどうでしょう。。。
これは、取り除く事ができませんから、ジャガイモと一緒に食べますよね?!
ですから、香味付けとしてローズマリーを使う時には、本当に、ほんとうに極少量、口触りにならない程度のわずかな分量しか使ってはならないのです。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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