2018/03/08
スパイス料理が苦手な人の多くは、その理由を「薬臭い」と表現します。中でも葉っぱを乾燥させたハーブ系スパイスはその爽やかな印象とは裏腹に、最も薬臭くなりがちな要注意のグループです。
それもそのはず、ハーブは日本語では薬草と訳し、西洋諸国では「メディカルハーブ」と言って、ハーブを健康維持のために使おうとする分野もあるのです。
ハーブとスパイスの違いはこの点にあります。
ハーブは薬草、つまり医療の分野でも使用されトリカブトやスズランのように有毒で食することができないものも多いのです。
一方スパイスは食品の分野。販売されているものは健康効果なども注目されていますが、全ては食品として食べるためのものなのです。
香味のスパイスに属するハーブ系スパイスは食品であり、且つ葉っぱを乾燥させたグループ。食材の美味しさを引き出すためにお料理で使うものですが、それでもやっぱり使うタイミングや使用量を間違えれば、どうしても薬臭くなってしまう要注意のスパイス達なのです。
ホームパーティーでは定番になりつつある「アクアパッツア」。鯛やスズキの白身魚をニンニクと一緒にオリーブオイルで焼いた後、白ワインで蒸し焼きにします。
その時、魚の臭みを取るために、多くのレシピでは、ローリエやタイム、オレガノ、ローズマリーなどのハーブ系スパイスを一緒に加えますが、ここで気になるのがハーブ系スパイスの強壮的な香りです。
魚の臭みを飛び越えて、ハーブの薬臭さが前面に出てしまっているアクアパッツアが多いのです!
理由はいくつかありますが、1番多いのは「ハーブ系スパイスを入れすぎていること」。
そして2番目が「蒸すタイミングで魚にふりかけていること」。
そしてタイムまたはローズマリー等の非常に薬臭いスパイスを「ブレンドせずに1種類だけ入れていること」です。
スパイスの香りや食材の臭みを消す効能は、精油としてスパイスの中に含有されています。これらを上手く引き出してあげるには、油か油脂性の食材と一緒に調理することが必要ですが、薬臭くならないようにするには「お料理に加えるタイミング」も大切になります。
アクアパッツアを例にするなら、タイムやローズマリーは魚を下ごしらえする時に使うことが大切です。塩や胡椒をふるタイミングでハーブ系スパイスも一緒にお魚の表面にふります。
分量も大切ですよ。1尾のお魚にふりかけるのは耳かき1杯強で十二分。しっかりと表面を焼いて白ワインを入れていくのがベターです。
乾燥したスパイスの方が強壮的なので、フレッシュタイムやローズマリー(ひと枝程度)を使うのもオススメです。
白ワインを加える時にオリーブやケッパーを加えますが、そのタイミングでハーブ系スパイスを入れるとワインの水分でスパイスの苦味成分も一緒にお料理の中に抽出されます。
ハーブ系スパイスは、特にこの「苦味」が料理の美味しさを邪魔します。下ごしらえか、調理の初期段階にのみ使い、食材と一緒に油で炒めたり焼いたりするように意識してみましょう。
ハーブ系スパイスの中で調理の仕上げにふりかけて使うことができるのはパセリくらいです。かけ過ぎればパセリの苦味が出てしまうので、かけすぎにも注意しましょう!
スパイス料理に慣れるまでは特に、「スパイスは塩・胡椒をする下ごしらえのタイミングで一緒に使う」と覚えておいてください。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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