2020/01/16
「ガラムマサラ」は、インドの伝統的なミックススパイス。
皆さんが大好きな「バターチキンカレー」が有名な、北インドでよく使われています。
現地では家庭の数だけオリジナルのガラムマサラがあると言われるくらい、インドのお母さんはその日の家族の様子を見て、毎食ごとにスパイスの配合を変えているそうです。
私たち日本人からすると、全部がカレーのように見えますが、カレーはインドでは煮込み料理のこと。
「ガラムマサラ」はカレーに限らず、スープやポタージュなどに使っても美味しいですし、肉料理の下味つけや野菜炒めなど、様々なインド料理に使うことができます。
ガラムマサラには通常3種類から10種類くらいのスパイスが調合されています。
クミン・コリアンダ・シナモン・カルダモン・フェンネル、季節によってはジンジャーを加えることも。
「カスリメティリーフ」として葉っぱの方が注目を浴びているフェネグリークやブラックペパーなども調合します。
ガラムはヒンディー語で「熱い」、マサラは「混合物」を意味しますが、一般的にはガラムマサラには唐辛子は配合しません。
唐辛子をブレンドしてしまうと、どのお料理も辛くなってしまうからです。
唐辛子がブレンドされている市販品もありますが、私のオススメは辛くないガラムマサラ。
辛くしたい時は、調理の際に、唐辛子やカイエンペッパー、ハバネロパウダーなどをお好みでプラスした方が、用途が広がります!
また、日本では「カレーパウダー(カレー粉)」が有名です。
これは、ガラムマサラに、黄色いターメリックが調合されたもので、インドではなく、日本で生まれたミックススパイスです。
「カレーパウダー」は、私たち日本人には大変馴染みが深いのですが、スパイスコーディネーターとしては、やはり、ガラムマサラとターメリックを別々に持っていることをオススメしています。
ターメリックが入っているカレー粉を使うと、すべてのお料理が黄色くなってしまうからです。
また、ターメリックは非常に土臭いスパイスなので、スパイスサイエンスの観点からすると、ターメリックは調理の下ごしらえか調理の初期段階に、油と一緒に良く炒めたり、焼いたりする必要があるスパイスなのです。
油分や火いれが足りないと、どうしても口の中に苦味が残ってしまいます。
小さい頃にお母さんが作ってくれた、カレー粉で作ったチャーハンは、少し苦味がありませんでしたか? あの苦味がターメリックの特徴なのです。
ターメリックがブレンドされていないガラムマサラであれば、調理の色々なタイミングで使うことができます。
ヨーグルトに混ぜてサラダのドレッシングにしてみたり、フライドポテトや唐揚げに少し振りかけてみたりなど、火を入れないものにも使えます。
カレーパウダー派の人も、是非ガラムマサラとターメリックを別々に購入してみてくださいね!
ガラムマサラは「和」の調味料とも良く合います。
私のオススメは、穏やかな鰹出汁と醤油ベースのクリアスープに、ほんのりとガラムマサラの風味を付けたササミが入った優しいスープ。
スープ全体をカレーの風味にしてしまわずに、鶏肉を食べた時だけに、フワッとガラムマサラの風味が飛び込んでくる、そんなスパイス料理も皆さんに作って欲しいなと思います。
ササミの下ごしらえをする時に、塩とガラムマサラ、料理酒を振りかけ10分。
そのササミを片栗粉で和えたら、鰹出汁と醤油ベースで作ったスープに投入します。
菜箸で優しくほぐして、ササミに火が通れば出来上がり。
キノコや苦味の出ないチンゲン菜、水菜などの青野菜を入れると美味しいです。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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