2019/12/12
カレーなどのインド料理によく使われる「クミン」。実は原産地はインドではなく、エジプトなんです。
紀元前4000年前までは、王や高貴な人はミイラとして保存されていましたが、ミイラを作る時に使用されていたのが、スパイスの「クミン」と「アニス」、そして「マジョラム」だったと言われています。
そんな用途から進化を遂げた「クミン」は、今ではインド料理に限らず、世界各国の料理で使われています。
チリコンカンやワカモレサラダ(アボガドのディップ)などに使うメキシコのミックススパイス「チリパウダー」の主要スパイスも「クミン」なんです!
「クミン」は、まさにカレーそのものの香味がするので、「あっ!カレーの香り!!」と、最初はワクワクするのですが、だんだんと苦いような渋いような香りが鼻についてくるのが特徴です。
多くの文献などでは、この香りを「ナンキン虫用の・・・」と例えたりしています。
ナンキン虫ですよ!!
こんなことから、「クミン」はできるだけ単体で使用せず、他のスパイスとブレンドして使うことをオススメしています。
独特の強い芳香を調和させてくれるお供のスパイスが必要なんですね。
その役割をしてくれるのが、カレー粉の主要スパイスでもある「コリアンダーシード」なんです。
「クミン」を使う時には、必ず「コリアンダーシード」を少しで良いので混ぜてあげると、全体的に香味がマイルドになります。
あるいは、ブラックペパーなどでもOKです。
例えば「焼きそば」を作る時、クミンとコリアンダーそしてブラックペパーのパウダーをブレンドして、豚肉にまぶし、10分ほどおきます。
少量の油か、料理酒などを一緒にふっておくと、よりスパイスが馴染みます。
後は、いつもの通りに焼きそばを作るだけで、カレー風味の焼きそばが出来上がります。
作っている途中の焼きそばに、クミンや他のスパイスを振りかけても問題はありませんが、元々スパイスは、魚肉等の臭みを消すために発展したものです。
お料理の中に魚肉類がある場合は、下ごしらえの時に魚肉にスパイスを振りかけ、マリネしてから調理していく方が、素材の美味しさを引き出すと共に、スパイスの粉っぽさを緩和することができます。
クミンは、日本人の「お家ご飯」には非常にマッチしやすいスパイスでもあります。
いつも作っているメニューに加えるだけで、皆んなが大好きなカレー風味になるからです。
焼きそばの他に、ハンバーグやポテトサラダ、野菜炒め、ソーセージやミートソースなどにもマッチします。
また、ヨーロッパでは「クミンチーズ」というクミンが練りこまれたチーズもあるので、チーズにクミンシード(原型のまま)を少しトッピングして食べるもよし、トマトとの相性も良いので、トマトのカプレーゼなどの香味付けとして使うのも美味しいです。
しっかりと火で調理するものは「パウダー」を、前菜のような冷製のものには、基本的には「クミンシード(原型)」を使うことをオススメしています。
カレーの香りは馴染みが深く、つい、振りかけて使いたくなるかもしれませんが、香味が非常に強いので、出来るだけ下ごしらえの時に使い、油と一緒によく火を通して調理してください。
カプレーゼなどは少し例外になりますが、ポテトサラダなどの冷製のメニューに使う場合は、ごく少量を脂分と一緒によく混ぜて使いましょう。
マヨネーズにクミンを混ぜて、それをマッシュしたポテトや野菜全体に混ぜ合わせるのがポイントです!
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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