2021/04/08
やわらかな巻きのゆるい春キャベツが出回っています。
春キャベツで作ると美味しい「ザワークラウト(乳酸キャベツ)」は、ジャーマンソーセージなどに添えられている、あの酸っぱいキャベツのこと、ドイツ料理です。
フランスでは「シュークルト」と呼ばれ、北欧、東欧、ロシアの他、ドイツ移民の多いアメリカ合衆国やカナダでも親しまれているそうです。
この酸味は、キャベツの葉に住んでいる微生物たちから自然に作られる乳酸菌によるもので、お酢の酸っぱさでありません。
天然発酵による酸味なので、優しくまろやか、酢漬けのピクルスとはまったく別の美味しさが魅力です。
今回は、この乳酸発酵させたキャベツに、キャラウェイなどのスパイスをプラスした、美味しいザワークラウトの作り方をご紹介します。
材料はキャベツと塩とスパイスのみ!
ぜひお家で、発酵保存食にチャレンジしてみてください!
キャラウェイはザワークラウトには欠かせないスパイスで、クミンと同じセリ科のシード系スパイスです。
表面にはリスの尻尾を思わせるような縞模様が入っており、見た目はクミンとそっくりですが、風味はクミンとは違って穏やかな甘さとほろ苦さがあります。
キャベツ以外にも、ホウレン草やジャガイモ 、豚肉やソーセージ、チーズ、リンゴなどの食材とも相性が抜群なので、コールスローや、ジャガイモとホウレン草のソテー、チーズ料理に少し加えてみると、いつものお家ごはんが欧風にかわります。
甘い香りがあるので、パンやクッキー、ビスケット、アップルパイや焼きリンゴなどへの活用もオススメです。
春キャベツ:1玉(約800g)
粗塩:16g(キャベツの総量の2%)
黒糖または砂糖:小さじ1-2 (入れなくてもOK。入れると味がまろやかに!)
キャラウェイシード:小さじ1/5 – 2/5杯
唐辛子:1-3本
ローリエ:1枚
① キャベツは洗って水気をきり、千切りにします。繊維を断つように切るのがポイント!
② ジップ付の保存袋にキャベツと粗塩を加えて、袋の上からよく揉みます。
③ 黒糖とスパイスを全体になじませ、空気をしっかりと抜いて密閉します。
④ バットに保存袋を平く寝かせ、その上に1.5-2kgほどの重しをのせます。(500mlのペットボトル3本が便利)。
今の季節(4月頃)なら常温で2日間ほど寝かせて(寒い時は3-5日)、味見をしてみましょう。
酸味があり、泡が立っていたらうまく発酵した証拠です。
清潔な保存容器に移し替えて冷蔵保存します。
この時に、甘味のあるカレンツ(干しぶどう)などを大さじ1杯加えるのもオススメです。
*発酵保存食なので、手や使用する容器などは、とにかく清潔に。
*キャベツは最初に半量を保存袋で揉み、しんなりさせてから残りをたすようにすると、Lサイズの保存袋1枚にキャベツ1玉分が入ります。
*ボウル等でキャベツを手揉みし、密閉容器に入れてから発酵させても構いません。
その場合は、キャベツの外側の葉を1枚とっておき、折りたたんで内蓋になるように押し込み、キャベツが水分から顔を出さないようにしてあげましょう。
ザワークラウトは、納豆やお味噌汁に混ぜても美味しいので、ぜひお試しくださいね。
キャラウェイ以外にもザワークラウトを美味しくしてくれるスパイスがたくさんあります。
赤唐辛子や生姜、ローリエ、ブラックペパー、陳皮(みかんの皮を干したもの)、山椒などの柑橘系の香味があるスパイスです。
スパイスは風味のためだけでなく、防腐効果が期待できる場合もあり、発酵食を作る時にオススメです。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
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