2020/08/06
ウェットマサラの「マサラ」はヒンディー語。
インドのミックススパイス「ガラムマサラ」の「マサラ」と同じ「スパイスの混合物」という意味を持ちます。
ウェットは「水気のある、濡れた、湿った」という意味を持つ英語なので、ウェットマサラは直訳すると「水気のあるスパイスの混合物」ということになります。
輸入食材店などに行けば、ビン詰め、例えばタイ料理に使う「トム・ヤムペースト」や「ナムプリック・パオ(Chile in oil)」、ジャマイカの「ジャークシーズニング」、インドネシア料理やマレーシア料理に使われる「サムバル(Sambal Belacan)」などが、たくさん棚に並んでいます。
これらは「ペースト」や「シーズニング」などの名前がついていますが、みな「ウェットマサラ」の1種なんですよ!
乾燥したスパイス類を水に浸けてふやかしたものをペースト状にしたり、唐辛子やニンニク、玉ねぎ、生姜といった生のスパイスをドライスパイスと一緒にすり潰したり、酢や油を加えたものなど様々です。
タイ料理では、パクチーの根をニンニクや生姜などと一緒にペーストにした「ウェットマサラ」もよく使われています。
「ウェットマサラ」は乾燥したドライスパイスよりもみずみずしく、柑橘系の風味が強くなるので、ドライミックスとは一味違った、スパイスの美味しさを感じることができると思います。
何よりも、乳鉢などでスパイスをすり潰す作業は、香りも良く、理科の実験みたいにワクワクしますよ!
ぜひ、お友達やお子さん、ご家族などで一緒に「ウェットマサラ」作りを楽しんでみてください!
タイ料理に使われる「ウェットマサラ」を作ってみましょう!
材料は簡単に手に入るものばかりです。
「パクチーの根」と「生姜」、「ニンニク」、そして「ブラックペパー」の4つだけです。
[作り方]
パクチーの根:1袋分(約4-5g:だいたい3-4本分の根っこ)
生姜:親指大(8-10g:パクチーの根の倍量)
ニンニク:1片(約4-5g:パクチーの根と同量)
ブラックペパー:小さじ1/2
乳鉢やすり鉢で固いものから潰していきます。
まずはブラックペパー。次にパクチーの根、そして生姜、ニンニクの順番です。
スパイス用の石の乳鉢をお持ちの方は、材料を細かくしなくても、上からトントンと乳棒を落とせば粉砕できますが、すり鉢などを使う場合は、ブラックペパー以外の材料をあらかじめ刻んでおくと楽チンです。
このウェットマサラは、タイの焼き鳥「ガイヤーン」や「カオマンガイ(チキンライス)」用のご飯の香りづけ、スープなどに使われています。
私のオススメは、鶏のひき肉で作る鶏団子のスープ。
淡い味のスープなので、日本のタイ料理屋さんでは、個別メニューとしてあまり見かけたことがありませんが、「カオマンガイ」を注文すると、似たようなスープがついてくることが多いです。
タイ語名は「ゲンチュウ・トウフ」です。
[鶏団子の作り方]
鶏ひき肉:200g
ウェットマサラ:小さじ2杯程度(約10g)
ナムプラー:小さじ1杯弱
ポリ袋に鶏ひき肉とウェットマサラを入れ粘りが出るまでしっかりと練り、ナムプラーを加えてもう1度練ります。
鍋に水を入れナムプラーと醤油で味付けをし(鶏ガラスープを使うと尚美味しい)、沸騰させてから丸めた鶏団子を入れていきます。
団子が上に浮いてきたら火が通った証拠です。
豆腐や白菜、大根、チンゲンサイ、春雨、キクラゲなどをスープに加えても美味しいです。
タイ料理の「ゲンチュウ・トウフ」には、卵豆腐がよく使われていて美味しいです。
スープ以外にも、練り込んだひき肉をきりたんぽのように割り箸にくっつけて、ガス台の魚焼きコンロで焼いても美味しいですよ!
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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