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SPICE LESSONスパイスレッスン

SPICE LESSON 17みかんの皮でスパイスを作ろう

2019/02/14

冬といえばこたつでみかん!11月頃から陳皮の原料である温州みかんが市場に出回り、立春を迎える2月の上旬には、伊予柑や八朔(ハッサク)が旬を迎えます。

柑橘類の木は、東京の都心部のお庭にも植えられていて、黄色く大きな実が無造作になっているのを良く見かけます。
毎年お庭で実った無農薬のおみかんをくださる方がいて、私はそれをとても楽しみにしているのですが、実はお目当ては甘酸っぱい果実の方ではなく、その皮の方なのです。

柑橘類の皮は捨てないで!

陳皮は温州みかんの皮を温熱乾燥させたスパイスです。七味にも使われていますが、インドのミルクティー「チャイ」にも配合されているんですよ!単独で湯豆腐にかけたりしても最高です。

陳皮というと温州みかんの皮に限定されてしまいますが、柑橘類の果実の皮は、どんな種類のものでも乾燥させればスパイスになります!

陳皮とは多少成分が違っても、似た様な爽やかな柑橘系の香味を楽しむことができるので、手作りして、普段の食卓でどんどん使って欲しいのです!

伊予柑やハッサクは、陳皮よりも皮が硬く苦味が強いですが、その分、香りも強く、色合いも鮮やかです。
和食や中華に使うイメージが強い陳皮と比べて、苦味のある伊予柑やハッサクの甘い芳香は、クッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子にも、とってもマッチします。

少し時期は過ぎてしまいましたが、柚子の皮も生で使うだけでなく、乾燥させれば1年間たっぷりと香りを楽しむことができます。

3月になれば甘夏が、夏にはスダチやカボスも出てきます。
無農薬の柑橘類なら何でもおすすめ、レモンの皮も捨てずにスパイスにしてください!

自家製陳皮の作り方

温州みかんなど籠に入れて食卓に置いておく様なみかんも、お母さんが剥いてあげて食卓に出す皮の硬いみかんも、まずは表面のワックスや汚れを落とすために50度のお湯で、サッと洗い、冷水で洗い流します。

洗い方は簡単です。ボールに50度のお湯を注いでおいて、そこにみかんを入れ、手で表面を優しくこすります。お湯がかなり熱いので、ビニール手袋をはめても良いでしょう。
ササッと洗って冷水で流し、軽く拭いたらおしまいです。

温州みかんなどの皮の薄い小さなみかんは、中身を食べたら綺麗にヒトデの様にザルに広げて天日干しをするだけです。裏も表も干し、皮が硬くなって手でパキッと折れるくらいになったら完成です。

使う分だけミルサーで粉にし、使わない分はラップで包んでから、さらにアルミホイルで包んで冷蔵保存しておきます。
伊予柑やハッサク、レモンの様に皮が硬くて白いワタの部分が沢山ある柑橘類は、まずナイフで皮に4つの切り込みを入れ、実と皮を分離した後、1/4の皮を更に縦に3-5等分して三日月の形を沢山作ります。

黄色い皮の方を下にして、小さなナイフで白いワタの部分を剥ぎとります。
それが億劫な場合は、食べる前にピーラーで皮を剥いてしまっても良いですね!柚子やレモンなどは、ピーラーを使った方が楽ちんです。

実は、栄養価は白いワタの部分に豊富に含有されているのですが、スパイスとしては苦味が強すぎるので、ある程度小さなナイフで削ってあげてから、太陽に天日干ししてあげましょう。

いずれも冬の晴れた日なら3日も干せば、すぐに自家製柑橘ピールができ上がります。
三日月の形にした皮の硬いピール類は、粉にしないでそのままお酢や料理酒、お醤油に漬け込むのがお薦めです。1週間もすれば、爽やかなオレンジの香りがする自家製調味料ができあがります。

柑橘スパイス酒は、お肉やお魚のフランベに、酢はドレッシングや炒め物に、醤油は湯豆腐にかけても良いですし、お刺身に使っても美味しいですよ。


執筆者紹介

IKU

ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター

植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。

スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。

「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。

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