2022/07/14
パスタやピザを友人や恋人と食べに行く。
そんな「気軽なイタリアン」ができるようになったのは、私がちょうど大学を卒業したくらいの頃だったかなと思います。
あまりに拙い記憶なので調べてみたら、どんぴしゃり!
「イタメシ食べに行こうよ!」と、日本人が当たり前のようにイタリア料理を楽しむ時代が到来したのは1985年のバブル全盛の頃だそう。
それまではイタリアンといえば高価なコース料理のリストランテでしたが、大衆食堂的な雰囲気のトラットリア「カプリチョーザ」が多店舗化したこともあり、1990年代にはパスタとピザは一気に日本の大衆料理と変化を遂げたように思います。
このパスタとピザの浸透が、オレガノとバジルを身近な存在にしてくれたことは言うまでもありません!
1960年代、三島由紀夫や安部公房が通ったと言われる「キャンティ」が飯倉にオープンした当時は、バジルは流通しておらず、オーナー自ら自宅で栽培したバジルを使っていたとか。
今ではスーパーに行けば必ずと言って良いほどオレガノとバジルが手に入りますよね。
今回は、そんなイタリアンに欠かせない「オレガノ」についてフォーカスしたいと思います。
たっぷりのチーズにイタリアントマト、そこにオレガノが効いたピザは定番中の定番ですが、実はこのオレガノ、チーズやトマトの青臭さを消すために使われているんです。
オレガノをよーく香ってみると、想像以上に強烈な香味に少し驚く人もいるはずです。
そう!オレガノは料理の味をオレガノ一色にしてしまうほどの強い香味の持ち主なのです。
ですから「オレガノ風味のお料理にしよう!」なんて考えて、必要以上にオレガノを振りかけたりすると、チーズの旨味もトマトの甘味も全部どこかへ消えてしまいます。
今日はまず、「オレガノはチーズの臭みやトマトの青臭さを消すために使うんだ!」ということをしっかりと覚えて下さい。
そうすればオレガノの使用分量も、食材の臭みが和らぐ程度の極々少量で良いということが、自然とわかってくるはずです。
料理の味を変えてしまうほどの強い香味を持つオレガノを上手に使いこなす良い方法があります。
それは「オレガノを単体で使わない」という決め事です!
私がオレガノを使う時は必ず、もう1種類別のハーブ系スパイスと「Lesson 57」でご紹介したオールスパイスを混ぜ合わせて使います。オールスパイスがない場合は、ブラックペパーでも構いません。
使用する食材にもよりますが、万能なのは
オレガノ(5) + パセリ(5) + オールスパイス(1)
*オレガノとパセリは同量、その1/5の分量がオールスパイスのブレンドです。(カッコ内の数字は配合の割合です)
例えば、ハーブドポテトなんかを作るとしたら
オレガノ(5) + ローズマリー(2.5) + オールスパイス(1)
のブレンドにします。ジャガイモと相性の良いローズマリーをもう1種のスパイスに選んでいます。
しかし!ローズマリーもオレガノに負けないくらい強い香味を持っているので、オレガノから主役の座を奪わないように分量を半分にしています。
少し難しく感じるかもしれませんが、スパイス料理を極めるには、自分の嗅覚に従うことがとっても大切です。
「強い香味のものは少量にする」
「主役のスパイスより脇役を目立たせすぎない」
こんな風なキャスティングを、ぜひご自分の感覚で行ってみて下さい。
分量は、ピザ1枚、グラタン皿1枚に対しておおよそ2つまみ程度で十分です。
そして必ず、チーズなどの脂分の多い食材の上にふりかけるようにしましょう。
スパイスは油と合わさることで食材と調和し、食材の臭みを消してくれます。
そうして出来上がったお料理には、ほんのりと爽やかな香味が残っている、という具合です。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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