2018/05/10
スパイスを上手に使いこなすために知っておくと良いテクニックが3つあります。
1つは「LESSON6」でお話ししたスパイスを使う「タイミング」。素材の臭みを消すことが本来のスパイスの用途なので、調理の仕上げに振りかけるのではなく、下ごしらえや下茹でなどの初期段階で「臭み消し」として使います。
肉や魚介類だけでなくキャベツや人参などのお野菜にも臭みがあります。それらの食材の臭みをスパイスの香味で相殺してあげると、料理が出来上がった時に素材の旨みが引き出されてより美味しくなるのです。
食材の臭みを消すために「下ごしらえのタイミングで使う」というのがスパイスを上手に使いこなすための1つ目のテクニックでした。
今日ご紹介するのは、もう1つの大切なテクニック。「スパイスはブレンド(調合する)して使う」という技です。
個性的な香味のスパイスは、実は単体で使うよりも、相性の良い他のスパイスと混ぜ合わせて使う方が優しい香味になって使いやすいのです。
レシピ本などでは「初めは1種類のスパイスだけを使い、慣れてきたら複数のスパイスを使いましょう」と書いてあるのを見かけますが、本当は個性の強いスパイスを単独で美味しく使うことの方が難しいのです。
ちょっと想像してみて下さい。
例えば、ある仲良しグループに1人の個性の強いリーダーが居たとします。グループは大抵そのリーダーの個性に染まっていますが、そこに、別の個性の持ち主が加わったらどうでしょうか?2つの個性はぶつかり合い、グループは2つに分裂しがちです。
しかしそこに、もう1つの新しい個性が加わると、3つの個性が中和されて、案外としっくりきた!そんな経験を皆さんもされたことがあると思います。
スパイスも実は同じで、1種類のスパイスだけを使うと、そのスパイスの強い香味だけにお料理が左右されます。2種類入れるとスパイスの香味はやや反発して調和がありません。しかし3つ以上のスパイスを混ぜ合わせると、個性の強いスパイス同士が融合して、新たな香味を作り出してくれるのです。
ですから、スパイスを使う時は、必ず3つ以上のスパイスをブレンドしてから使うようにしてください。
セレクトの仕方は簡単です。
まず食材に合わせて使ってみたいと思うスパイスを1つ決めます。
次に、その使ってみたいスパイスと同じグループのスパイスをもう1つ選びます。そして最後に必ずブラックペパーを混ぜるのです。(スパイスのグループについては「LESSON 1」から「LESSON 5」を確認してください)
同じグループのスパイスには同じような成分が含有されているので、調合した時に大きくぶつかり合うことがありません。香りを確認しながら、最初に選んだスパイスの香味よりも弱いものか、同等の強さのスパイスを選びましょう。
仕上げに皆さんが好き嫌いなく使えるブラックペパーを混ぜてあげると、失敗することなく美味しいミックススパイスが出来上がります。
調合の割合は慣れるまでは
[主役のスパイス:同じグループのスパイス:ブラックペパー] = [1:1:2]
が間違いないと思います。
「スパイスはブレンドして使う(3種類以上を混ぜて使う)」というのが2つ目の大切なテクニックになります。
スパイスコーディネーター
「身体の声を聴く」がモットー。
20数年に渡るYOGA的ライフスタイルの中で「美容や健康をおいしく安全にサポートしてくれる万能なアイテム」として、スパイスや漢方食材の可能性に開眼。
2011年よりセルフメンテナンス・ドット・ビズを立ち上げ、企業や自治体主催のセミナーなどで企画・講師を務める。
実践的な活用法が人気のスパイスセミナーの参加者は年間200人を超える。
日本漢方養生学協会認定:漢方上級スタイリスト/養生薬膳アドバイザー
スパイスコーディネーター協会認定:スパイスコーディネーターマスター
YOGA インストラクター