2020/11/12
「ピンクペパー」は完熟して赤くなった「胡椒」だと思っていませんか??
名前はペパーでも、実は胡椒とは全く違う植物の果実なんです。
ウルシ科の樹木の果実を乾燥させたものや、バラ科の「西洋ななかまど」の果実がピンクペパーとして使われています。
西洋ななかまどはバラ科の高木でヨーロッパ各地に野生しており、ノルウェーやスウェーデンなどのスカンジナビア諸国では、観賞用として並木道や公園などにも植えられているそうです。
ピンクの小さな実がたくさんついた街路樹、歩いてみたいですね。
調べてみると、日本でも旭川や札幌などで、街路樹として植えられているそうなんです!
初秋に赤い実をつけるので、ご旅行の際には、ぜひ「ななかまど」の街路樹を歩いて来てくださいね。
そんなピンク色の可愛い果実を乾燥させたスパイス「ピンクペパー」は、クリスマスやバレンタインシーズンになると、雑誌やレストランなどでよく見かけるようになります。
ローストビーフやチーズの盛り合わせ、ゼリーやアイスクリーム、チョコレートなどのデザート類・・・
「ピンクペパー」はパーティー料理に彩を添えてくれるので、これからのシーズンに大活躍のスパイスなんです。
「ピンクペパー」は、形状は似ていても、胡椒のように爽やかな柑橘系の香りで肉類の臭みを消したり、ラーメンなどの脂っこさを緩和してくれたりといった、臭み消しの役割を持つスパイスではありません。
このなんとも言えない可愛らしいピンク色が「ピンクペパー」の最大の強み、つまり、彩り(いろどり)のために使われるスパイスなのです。
スパイスには臭み消しの他、料理に辛味(辛味作用)や香味(賦香(ぶこう作用)、色味(彩り)をつける作用がありましたよね!
色味のスパイスは「LESSON 2」でお話ししたように、油に溶けるターメリックとパプリカパウダー、水に溶けるサフラン、クチナシ、紅花などがありますが、このピンクペパーも色味のスパイスの仲間なんです。
しかしピンクペパーは、水にも油にも十分には溶解しないので、調理の途中では使いません。
仕上げに原型のまま使い、料理に彩を添える役割をします。
パセリと同じ「添え物」として、色味の効果を発揮してくれるスパイスなのです。
ですから、使う時はいつもホール(原型)で使い、パウダーにすることはほとんどないと言っても良いでしょう。
甘く爽やかな苦味と酸味があり、そのまま食べても美味しい「ピンクペパー」には、臭み消しの効果はあまりないとお話ししましたが、適度な酸味と苦味はお肉や乳製品のアクセントになります。
ローストビーフやラムチョップなど、Theお肉!と言うようなお料理と一緒に食べれば、一味違ったお肉の美味しさを味わうことができますよ!
この苦味は、甘いデザートにもマッチします。
ナッツ類と一緒に「ピンクペパー」をちりばめて、バレンタインのチョコレートを作ったり、バニラアイスクリームに荒く砕いたブラックペパーと「ピンクペパー」をトッピングしたりすれば、手軽で簡単なホームパーティー用のデザートにもなります。
さくらんぼの缶詰の代わりに、フルーツポンチに入れたり、カクテルの中に2-3粒沈めたりしても素敵ですね。
他には、オイルサーディンや、サラダ、レバーパテやゼリーよせ、お魚のマリネなど、洋風のお料理にはなんでも合います。
カナッペなどのトッピングにも合うので、ぜひ、気軽に使ってくださいね。
ブレンドスパイス研究所|スパイスコーディネーター
植物の種や葉、果実、蕾などを乾燥させたスパイスを調合していると、その複雑な香味が知らない国やそこに暮らす人々を感じさせてくれます。
スパイスは異国とわたしを繋げてくれる『特別なアイテム』であると同時に、わたしをメンテナンスしてくれる『癒しのアイテム』でもあります。
「スパイス」を通して皆さんと繋がり、皆さんも新しい何かにワクワクできたら!そんな思いを込めて、スパイスセミナーをはじめとした、スパイスに関わる様々なお仕事をさせて頂いています。
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